American Journal of Enology and Viticulture
       論文要旨 和訳


 

Volume 58 No.2 (2007)


A.G. Reynolds, I.V. Senchuk, C. van der Reest, and C. de Savigny: Use of GPS and GIS for Elucidation of the Basis for Terroir: Spatial Variation in an Ontario Riesling Vineyard. pp. 145-162.
[テロワールの基準を明確にするためのGPSとCISの利用:オンタリオのリースリングブドウ園における特別な変動]

 テロワールの潜在的な基盤を明らかにするために、収量構成、土壌、ブドウ組織、果実成分そしてワインのセンサリー特性に及ぼすブドウサイズと土壌の質の影響をオンタリオのリースリングブドウ園において測定した。サンプルブドウは、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)を用いて地質学的に位置づけた。ジオグラフィック・インフォメーション・システム(GIS)は、土壌の質と土壌およびブドウ組織の組成(1998)における特別な変動、そして4年間に渡る(1998〜2002)それぞれのサンプルブドウからの収量構成、顆粒組成、剪定枝の重量(ブドウサイズ)における特別な変動を詳細に叙述した。ブドウ樹は前シーズンのブドウ樹サイズに基づき、2つの土壌の質のクラス(粘土と砂)のそれぞれの中で、大または小に分類された。これら4カテゴリーからの果実はワイン製造用に分離され、顆粒、マスト、ワインの化学組成のデータを測定した。そして、ワインセンサリー記述分析を行った。土壌の質および組成に対して顆粒重量と潜在的揮発性テルペン(PVT)の間に相関関係が観察された。顆粒、マストまたはワイン組成に対する土壌の質またはブドウサイズの首尾一貫した影響は無かった。大きなブドウサイズはブドウ滴定酸(TA)(2001)とPVT(2002)を増加させ、マストpHを減少させ(1999)、そしてワインの遊離揮発性テルペンを増加させた(2001)。砂質の土壌はワインTAとマストPVTを減少させ(1999)、そして顆粒TAとマストエキス分を増加させた(2002)。ブドウサイズと土壌の質は、ビンテージを超えてワインセンサリー特性に一貫して影響することはなかった。ブドウの高い樹勢はミネラルアロマ(1999)と柑橘系のフレーバー(2001)を減少させ、そしてリンゴの特性を増加させた(2001)。粘土質の土壌はミネラルアロマ(1999と2001)と柑橘系の特性(2001)を増加させたが、リンゴのアロマは減少させた(1999)。柑橘系アロマと石油系フレーバーは、あるブドウサイズと土壌の質の組み合わせで増加した(2002)。ビンテージとワインの年齢は、ブドウサイズまたは土壌の質よりも、ワインのセンサリー特性においてより大きなインパクトを持っていた。
[英文要旨原文]


E. Cadahia, B. Fernandez de Simon, R. Vallejo, M. Sanz, and M. Broto: Volatile Compound Evolution in Spanish Oak Wood (Quercus petraea and Quercus pyrenaica) during Natural Seasoning. pp. 163-172.
[自然乾燥期間中のスペイン産オーク材(Quercus petraeaとQuercus pyrenaica)における揮発成分の進展]

スペイン産オークQuercus petraeaとQuercus pyrenaica由来の心材には、広範囲の揮発性成分群(揮発性フェノール、フェノールアルデヒド、フラン化合物、ラクトン、フェニルケトン、その他)が含まれ、それらは熟成中のワインに抽出される可能性がある。樽製造後の自然乾燥工程中の揮発成分の変化を検討した。乾燥中に変化する揮発成分には濃度が増えるもの、減るものがあり、または有意な変化を示さないものもある。品種、起源、乾燥の環境条件にもよるが、オーク材の変化は乾燥の2年間で最も顕著であり、その後3年目に安定化した。
[英文要旨原文]


L.E. Williams and P. Baeza: Relationships among Ambient Temperature and Vapor Pressure Deficit and Leaf and Stem Water Potentials of Fully Irrigated, Field-Grown Grapevines. pp. 173-181.
[周辺温度、蒸気圧差そして完全に灌漑された露地栽培ブドウ樹の葉と梗の水ポテンシャルの間の関係]

 真昼または午前の中ごろから午後の中ごろの間のある時間に、青空の下で測定した気温、蒸気圧差(VPD)そして葉の水ポテンシャル(1)の間の関係を測定するために、カリフォルニアに点在する5つの場所で栽培された4種類のVitis vinifera栽培種を調べた。梗の水ポテンシャルもまた、幾つかの場合で測定した。ブドウ樹は、100%または、測定あるいは推定されたブドウ園からの蒸発量以上に灌漑された。そして、比較のために、水不足または灌漑してないブドウ樹も含めた。温度とVPDは水ポテンシャルと同時に測定した。水を十分与えられたブドウで測定された(1)の最高と最低値は、それぞれ?0.51と?1.15であった。葉と梗の水ポテンシャルはVPDおよび周辺温度と直線的に相関していた。測定された相関係数は、(1)とVPDの間(R2 = 0.74)の方が、(1)と周辺温度の間(R2 = 0.58)より大きかった。回帰分析をもとにした、完全灌水のブドウ樹に対する2および5 kPaのVPDにおける(1)の推定値は、それぞれ、?0.65と?0.89 MPaであった。一方、同じVPDにおける梗のそれら推定値は、それぞれ、?0.37と?0.57 MPaであった。水ストレスブドウの葉の水ポテンシャルは、(1)の値が?1.2から?1.45 MPaの間では、VPDまたは温度に対する関連性が小さかった。VPDと温度の関数としての葉および梗の水ポテンシャルの値は、半乾燥のブドウ栽培地域に見られる環境条件下で、ブドウ樹が完全灌水または水ストレス状態にないかを示す基準として役に立つ可能性がある。
[英文要旨原文]


A.B. Marin, E.M. Jorgensen, J.A. Kennedy, and J. Ferrier: Effects of Bottle Closure Type on Consumer Perceptions of Wine Quality. pp. 182-191.
[ワイン品質の消費者認識に関する壜栓のタイプの影響]

33ヶ月間壜詰された市販ワインに対するワイン消費者の認識に関して、天然コルク、合成コルク、スクリューキャップ栓の効果を、2つの実験で試験した。1つめは、3つの栓のタイプでシールされたシャルドネやメルローのワインサンプル間の官能的差異を、ワインの消費者が見抜くことはできなかったと判定した。2つめは、消費者のワイン品質認識が変化するかどうかと、どのように変化するかを、ワインをシールするために使用した栓のタイプに基づいて測定した。ワインを同じ消費者に2度提供した。最初は栓を明らかにせず、2回目はそれぞれのワイン栓を明らかにした。シャルドネに関して、ワインが天然コルクでシールされたという認識は、嗜好または品質スコアに有意な影響を与えなかった。しかし、参加者がそのサンプルが合成コルクで壜詰されていたと知った時、嗜好スコアがより低くなる傾向があり、その差異はもう少しで有意差が出るところだったが、品質の評点は変わらなかった。参加者がそのワインがスクリューキャップだったと知った時、嗜好と品質の評点は有意に低くなった。メルローに関しては、どの栓に対しても嗜好スコアに変化がなかったが、天然コルクで栓をしたワインに対する品質スコアは有意に増加した。
[英文要旨原文]


A.B. Marin, and C.A. Durham: Effects of Wine Bottle Closure Type on Consumer Purchase Intent and Price Expectation. pp. 192-201.
[消費者の購入意思と価格予想に関するワイン壜栓のタイプの影響]

ワイン消費者の購入意欲と価格予想に関する天然コルク、合成コルク、スクリューキャップ栓の影響を、シャルドネとメルローの2つの市販ワインに対して調査した。消費者の購入行動を参加者がワインを2度試飲して評点をつけるという試飲調査で測定した。1度目は栓の情報は知らない時で、2度目は栓の情報が明らかになった時であった。栓の情報が明かされた時の購入行動に対する影響に対して、線形回帰、ロジスティック回帰モデル、パス解析を用いて因果関係を示す影響を評価した。ワインに対する嗜好ランキングは、購入意欲に影響を与えるのに最もインパクトが高かった。購入意欲に対する嗜好の影響は、嗜好ランキングで1単位増加すると、ワインを購入する可能性が〜10%高くなることが明らかになり、栓のタイプは購入意欲に対してほんの僅かの影響しかなかった。価格予想に対する結果は購入意欲とは異なり、嗜好が予想価格に影響せず、品質が最も大きい影響をもたらした。予想される価格モデルに対して、スクリューキャップにより、消費者のワインの想定価格は顕著に低くなった。合成コルクや天然コルクに関連する予想される価格に対して、スクリューキャップの有意差のあるマイナス効果は直接のマイナス効果を示した。しかし、品質ランキングでの天然コルクのプラス相関とスクリューキャップのマイナス相関は、栓のタイプが消費者の品質認知を通じて予想される価格に、間接的に影響を及ぼすことを示した。
[英文要旨原文]


V. Komar, E. Vigne, G. Demangeat, and M. Fuchs: Beneficial Effect of Selective Virus Elimination on the Performance of Vitis vinifera cv. Chardonnay. pp. 202-210.
[Vitis vinifera cv. Chardonnayのパフォーマンスにおける選択的なウイルス除去の有益な効果]


選択的なウイルス除去がVitis vinifera cv. Chardonnayの樹勢、収量、果実品質に及ぼす影響を6年間にわたるフィールドの繰り返し実験により評価した。試験材料は、複数のウイルスの組み合わせ(GLRaV-1, GVB, GRSPaV; GFkV, GLRaV-1, GVB, GRSPaV; GLRaV-2, GLRaV-3, GRSPaV)とウイルス様病害(ブドウモザイクとブドウネクローシス)に感染した3つのクローンから繁殖した。そして、加温治療とin vitroの茎頂点培養によりウイルスを除去した選抜後代を得た。しかし、接ぎ木検定と適当なグロブリンを用いたDAS-ELISAで示されたように、ウイルス除去を施した後代において、すべてのウイルスではなく、幾つかが除去され、異なったウイルス感染状態のクローン材料の比較栽培分析が可能となった。GLRaV-2の除去は累積的な重量成長(21%)、生果実収量(22%)そして果汁の糖濃度(9%)における顕著な増加をともなった最も有益な影響を示した。GLRaV-2, GLRaV-3そしてGVBの選択的除去もまた、樹勢(それぞれ0、6、35%)と生産(それぞれ12、3、16%)の増加をともなった有益な影響を示した。一方、果実成熟指標は、バラバラに影響を受けた(果実糖度において0、3、0%の増加、そして滴定酸において0、3、0%の減少)。これらの結果は、V. viniferaの樹勢、収量、果実の質におけるGLRaV-2の影響に対する新しい洞察を提案し、検定プログラムにおいて、この不利益なウイルスを検出する測定を含む必要性に対する強い証拠を示している。
[英文要旨原文]


R.K. Krell, E.A. Boyd, J.E. Nay, Y.L. Park, and T.M. Perring: Mechanical and Insect Transmission of Xylella fastidiosa to Vitis vinifera. pp. 211-216.
[機械そして昆虫によるXylella fastidiosaのVitis viniferaへの伝搬]

細菌のXylella fastidiosa Wellsなどはブドウ樹にピアス病を引き起こす。ブドウ樹へのX. fastidiosaの伝搬の4つの潜在的メカニズム、すなわち、自然に起こる根の接合による接合伝搬、剪定バサミによる機械的伝搬、Homalodisca liturata Ball(スモークツリー・シャープシューター)の幼虫や成虫、Diceroprocta apache Davis(アパッチゼミ)の成虫(両者ともカリフォルニア自生の昆虫である)が媒介する伝搬を調査した。X. fastidiosaが感染したブドウ樹と非感染ブドウ樹の間で自然に起こる根の接合は観察されなかった。従って、自然の根の接合による伝搬は検出されなかった(n = 5)。選定バサミを用いた21の伝搬試験のうち、1つはX. fastidiosaの伝搬が起こった。24のスモークツリー・シャープシューター幼虫のうち3つはX. fastidiosaを伝搬した。スモークツリー・シャープシューター成虫によるX. fastidiosaの伝搬試験では、14のうち3が成功した。13の成虫はPCRにより検出されたようにX. fastidiosa陽性であった。アパッチゼミによる12の伝搬試験のうち1つはX. fastidiosaを伝搬した。感染枝から健全枝への剪定バサミによる機械的な伝搬とスモークツリー・シャープシューター幼虫とアパッチゼミ成虫によるX. fastidiosaの昆虫伝搬の発見は、病原菌がブドウ樹に伝搬する新しい方法を示している。伝搬は、これらの方法によりめったに起きないが、これらの結果は、ピアス病管理プログラムの展開において、伝搬のすべての方法を考慮する必要性を強調している。
[英文要旨原文]


A.G. Reynolds, W.D. Lowrey, L. Tomek, J. Hakimi, and C. de Savigny: Influence of Irrigation on Vine Performance, Fruit Composition, and Wine Quality of Chardonnay in a Cool, Humid Climate. pp. 217-228.
[冷涼で多湿な気候における灌漑がシャルドネブドウのブドウ生産力、果実組成、ワイン品質に及ぼす影響]

 5つの灌漑処理(灌漑しないコントロール;開花後、ラグフェーズ、ベレーゾンに灌漑を中断する;シーズンを通して灌漑する)をオンタリオのシャルドネブドウ園で4年以上の期間にわたり評価した。修正FAO Penman-Monteith蒸発散式を水供給量の計算と灌漑スケジュール作成に使用した。蒸散速度、正午の葉水ポテンシャル、そして土壌水分のデータは、コントロールと早期の中断処理が、4シーズン中2シーズンにおいて十分な降水量にも関わらず、しばしば、低い水分状態になったことを示唆した。シーズンを通して灌漑すると、収量がコントロールに比べて18%(2001)と19%(2002)増加した。これは、主として顆粒重量の増加による。エキス分は、灌漑によって増加した。シーズンを通しての灌漑は4年間の2年において、他のすべての処理に類似または、それより高いBrixを示した。果実の滴定酸とpHは5つの処理すべてにおいて、受け入れられるレベル内で低下したが、4年間の2年の灌漑処理においてわずかに高かった。灌漑されたブドウから造られたワインは、より強いリンゴ、レモンそしてフローラルアロマとフレーバーを持ち、土のアロマとフレーバーは弱かった。これらの結果は、灌漑がオンタリオと北東米国のワインブドウ園にとって、収量、エキス分、望ましいセンサリー特性の同時増加を可能にする選択肢であることを強く示唆している。
[英文要旨原文]


T.G. Phister, H. Rawsthorne, C.M.L. Joseph, and D.A. Mills: Real-Time PCR Assay for Detection and Enumeration of Hanseniaspora Species from Wine and Juice. pp. 229-233.
[ワインや果汁由来のHanseniaspora菌検出と菌数測定のためのリアルタイムPCR分析]

Hanseniaspora種(同じ形態のKloeckera種)はブドウ上では普通の酵母の構成菌であり、時々ワイン発酵の初期に優勢になる。Hanseniaspora種のマスト中での生育は、ワインの官能的特性変化に関連し、スタック発酵やスラギッシュ発酵の要因となる。リアルタイムの定量的ポリメラーゼ鎖反応(PCR)分析が、Hanseniaspora種の数を迅速に測定するために開発された。その分析により、マストまたはワイン中のどちらかにいるHanseniasporaを直接計数可能となり、高濃度のSaccharomyces cerevisiae DNAに影響されない。この分析法の開発で、初期のHanseniaspora種の数と、その後のワイン発酵または官能変化との関係をよりよく調査するためのマストサンプルの高度処理調査が可能になるだろう。
[英文要旨原文]


T.L. Roush, J. Granett, and M.A. Walker: Inheritance of Gall Formation Relative to Phylloxera Resistance Levels in
Hybrid Grapevines. pp. 234-241.
[ハイブリッドブドウにおけるフィロキセラ耐性に関連したこぶ形成の遺伝]

 ブドウフィロキセラはブドウ樹の害虫であり、耐性を持つ北アメリカのVitis属から育種した台木によりコントロールされる。しかし、それらの親にV. viniferaを持つ台木、すなわちV. vinifera×V. rupestrisハイブリッド AXR#1の様な台木は失敗している。この研究は塊茎および結節形成に対する耐性の遺伝を初めて別々に試験した。AXR#1から改良育成したF2世代は、AXR#1の根から当初採取されたBタイプフィロキセラを用いて選抜した。後代において、耐性とその反対の感受性(結節の数、塊茎の数、塊茎を持つ成木数、最初の繁殖に至る樹齢)のすべての測定に対して法則に従わない遺伝的分離が観察された。これらの測定基準を、耐性と感受性を決定し、後代を2つの表現型に分類するために、1および2遺伝子座モデルを基礎とした分離比のカイ二乗分析に対して使用した。すべての定義を用いた結節形成の遺伝的分離は1:7の表現形質分布に適応し、故に、少なくとも2つの遺伝子座が含まれていた。塊茎形成と成木数の遺伝的分離は、適応した耐性の定義に依存して変動した。すなわち、1つ、あるいは2つの遺伝子が塊茎形成をコントロールしているのか明確ではない。それぞれの場合で、耐性のグループは劣性であった。2つの形質によりベストフィットした異なる分配により、これらの結果は、別々の機構が結節および塊茎形成をコントロールしていることを示唆している。
[英文要旨原文]


A. Milla Tapia, J.A. Cabezas, F. Cabello, T. Lacombe, J.M. Martinez-Zapater, P. Hinrichsen, and M.T. Cervera: Determining the Spanish Origin of Representative Ancient American
Grapevine Varieties. pp. 242-251.
[代表的な古くからのアメリカブドウ品種のスペイン起源の決定]


 アルゼンチン、ボリビア、チリ、ペルーそして米国由来の古くから栽培されているブドウ樹の遺伝子型分析を行った結果、そのほとんどが、今でもスペインで栽培されている2つの古来種(Muscat of AlexandriaとListan Prieto)に対応することが明らかになった。後者は、異なった名前(Pais, Criolla Chica, Negra Peruana, Mision, Missionのような)で、北そして南アメリカ全体で栽培されている。分析した中で、多数の残存しているアメリカ古来栽培種は、Muscat of AlexandriaまたはListan Prietoあるいはその両方に対応した。我々は、これら2つの栽培種が、古いアメリカブドウ栽培の主要な創始ブドウ品種であると結論した。
[英文要旨原文]


I. Lesschaeve: Sensory Evaluation of Wine and Commercial Realities: Review of Current Practices and Perspectives. pp. 252-258.
[ワインの官能評価と営業用の本質:最新の実践と認識に関するレビュー]

ワインの特質は、ワインメーカーまたはワインメーカーのチームの官能的鋭敏さに頼っている。ワイナリーの生産過程または造られるワインのスタイルによるが、ワインメーカーは職人のワインを専門的に製造する、または多くの消費者にアピールするためにデザインした市販のアルコール飲料を製造すると考えている。ワインマーケットのグローバリゼーションにより現在は、より多くの消費者が外国で製造されたワインを味見できるようになっている。人気のあるワインを造るワインメーカーは、ワインを飲むための消費者のニーズ、価値、動機、更には消費習慣やより大きな製造競合相手を発展させることによって挑戦してきた。このレビューは、ワインの官能的特性を特徴付けたり、より良いワインスタイルをデザインするために消費者の嗜好をよりよく理解したりすることによって、ワイナリーの生産過程を援助するための官能評価ツールについて議論する。科学的論文やマーケットの論文をレビューすることによってキーコンセプトを説明し、消費者が引っ張るワイン製造に対する新たな観点とワインビジネス戦略を提案する。
[英文要旨原文]


M.W. Fidelibus, L.P. Christensen, D.G. Katayama, P.T. Verdenal, and K. Cathline: Fruit Characteristics of Six Merlot Grapevine Selections in the Central San Joaquin Valley, California. pp. 259-261.
[カリフォルニアCentral San Joaquin Valleyの6種のメルローブドウ樹セレクションの果実特性]

プラントサービス財団からのメルローブドウ樹(Vitis vinifera)セレクションをカリフォルニアFresno近くで評価した。メルローセレクションFPS 1, 3, 9, 10, 11そして14を1997年4月に、自根挿し木として植栽し、果実収量と組成を2000年から2003年の間、毎年評価した。セレクション10のブドウ樹が最も良い実績を示した。すなわち、他のセレクションのブドウ樹よりも、常に高い収量を生産した。そしてセレクション10の果実は試験したセクションの中で、最も低いpHと最も高い滴定酸を持っていた。反対に、セレクション11は望ましくなかった。すなわち、最も大きな顆粒を生産し、サワー・ロットに最も感受性で、その果汁は最も高いpHを持っていた。セレクション14は良い組成の果実を生産したが、その収量は他のセレクションより低かった。セレクション3(現在のワイン産業で標準とされるセレクション)は、セレクション1と9に似た実績を示したがセレクション10を超えなかった。
[英文要旨原文]


M.J. Benz, M.M. Anderson, M.A. Williams, and J.A. Wolpert: Viticultural Performance of Three Malbec Clones on Two Rootstocks in Oakville, Napa Valley, California. pp. 262-267.
[カリフォルニア・ナパバレー・オークビルにおける3つのMlbecクローンと2つの台木の栽培実績]

 プラント・サービス財団(FPS)からのマルベック(Vitis vinifera L., syn. Cot)の3種のクローンをカリフォルニア・ナパバレー・オークビルにおいて評価した。クローンFPS 4, FPS 6そしてFPS 8を2種類の台木(110 Richter (110R) とTeleki 5C (5C))に接ぎ木して育てた。ブドウ収量構成、果実組成、そして栄養成長を4成長シーズン(1997年から2000年)に渡って測定した。ブドウ樹当たりの新梢数は、その年のすべてのクローンに対して一定に維持された。ブドウ樹当たりの収量、房当たりの顆粒数、房重量、新梢当たりの房数、そして房数はクローンと台木の間で有意に異なっていた。顆粒重量は、クローン間で有意に異なっていたが、台木間では差がなかった。すべての収量構成は4ビンテージに渡って有意に変動した。FPS 8は、高い収量と収量構成を持っていたが、FPS 6は最も低かった。台木110Rは、5Cに比べて、多くの房と、房当たりの多くの顆粒を持つことにより、有意に高い収量を持っていた。房当たりの顆粒の収量構成要素は、収量の違いと最も強く相関していた。剪定重量は収量と逆の相関を示した。FPS 8は最も低い剪定重量を持ち、FPS 6は最も高かった。Ravazインデックス(剪定重量に対する収量の比率)は、FPS 8が最も高く、FPS 6が最も低かった。より収量の多い年において、FPS 8はFRS 4と6に比べてエキス分をより多く持っていた。
[英文要旨原文]


R.T. Threlfall, J.R. Morris, J.F. Meullenet, and R.K. Striegler: Sensory Characteristics, Composition, and Nutraceutical Content of Juice from Vitis rotundifolia (Muscadine) Cultivars. pp. 268-273.
[Vitis rotundifolia(Muscadine)栽培種の果汁のセンサリー特性、組成、機能性成分]


5種の黒系栽培種(Black Beauty, Ison, Nesbitt, Southern Home, Supreme)と3種のブロンズ系栽培種(Carlos, Granny Val, Summit)を含む8種のVitis rotundifolia(Muscadine)栽培種は、58〜74 kg/vineを生産した。果汁収量は473〜551 L/tで、果汁のエキス分は12.6〜14.6%、pHは3.09〜3.42、総フェノールは179〜373 mg/L、総アントシアニンは2.0?104 mg/Lであった。消費者と訓練された記述パネルがそれら果汁と市販の2種類の果汁を評価した。消費者は、Black Beauty、Granny Val、Ison、Southern Home、Summitの果汁を、総合的な好みにおいて最も高く評価した。記述パネルは、甘い、酸っぱい、料理されたmuscadine、料理されたブドウ、苦い、として認識される主要な特性を持つセンサリー用語を作成した。消費者と記述データとの相関は、全体的な好みを示した。全体的な好みは、甘味やキャラメル様の味に対して正の相関があり、酸味とグリーンな未熟さに対して負の相関があった。消費者は、エキス分14%でエキス分/酸の比が26〜31の果汁の甘さに対して好みを示した。Muscadine栽培種は、muscadine製品のマーケティングを拡大するための潜在的機能性効果を持った良質の果汁を生産した。
[英文要旨原文]


RESEARCH NOTE:
I.G. Rousis, I. Lambropoulos, and P. Tzimas: Protection of Volatiles in a Wine with Low sulfur Dioxide by Caffeic Acid or glutathione. pp. 274-278.
[二酸化硫黄の少ないワイン中でのカフェー酸またはグルタチオンによる揮発成分の保護]

210日(7ヶ月)までの間に遊離亜硫酸が(35 mg/L)に減少した白ワイン、または基準的には(55 mg/L)を有する白ワインの貯蔵中の芳香性揮発成分濃度を、減少したSO2がどのようにワインの揮発成分に影響したかを評価するために測定した。SO2が減少したワインにカフェー酸(60 mg/L)、グルタチオン(20 mg/L)、またはそれらのミクスチャー(それぞれ30 mg/L + 10 mg/L)を添加したものも試験した。コントロールワインと処理ワインにおいて、酢酸エステル、エチルエステル、テルペン、脂肪酸の濃度がワイン貯蔵中に減少し、一方、高級アルコールは一定のままであった。SO2が減少したワインまたは基準的なワインサンプルは、酢酸エチルを除いては統計的には等しい揮発成分濃度を有していた。酢酸エチルは基準のワインサンプルの方がより高かった。カフェー酸、グルタチオン、またはそれらのミクスチャーは、酢酸エチル、酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、カプリル酸エチル、カプリン酸エチル、リナロールのような幾つかの揮発性エステルやテルペンの減少を遅らせた。以上より、SO2はワインの揮発成分に対して限定された保護しかもたらさないが、カフェー酸、グルタチオン、またはそれらのミクスチャーはSO2が減少した白ワインのいくつかの芳香性揮発成分を保護することが示唆された。
[英文要旨原文]


TECHNICAL BRIEF:
E. Moro, R. Maajocchi, C. Ballabio, S. Molfino, and P. Restani: A Rapid and Simple Method for Simultaneous Determination of Glycerol, Fructose, and Glucose in Wine. pp. 279-282.
[ワイン中のグリセロール、フラクトース、グルコースの同時測定のための迅速で簡単な方法]

極性修飾結合NH2シリカカラムと示差屈折率検出計を用いた高速液体クロマトグラフィーによって、ワイン中のグリセロール、グルコース、フラクトースを分析する為の簡単な方法を開発した。高品質及び標準品質の赤ワインに対して、グリセロール、フラクトース、グルコース濃度はそれぞれ、3.30〜7.67 mg/mL、不検出〜9.12 mg/mL、不検出〜3.60 mg/mLまでの範囲であった。高品質及び標準品質の白ワインに対して、これらの濃度はそれぞれ、1.65〜5.87 mg/mL、0.18〜7.07 mg/mL、不検出〜3.21 mg/mLの範囲であった。フラクトースとグルコース濃度は甘口ワインとスパークリングワインで非常に高かった(18.5〜127 mg/mL)。ここで述べた方法によれば、グリセロールと2つの糖類を同時に測定し、ワインの品質を容易に特異的に、迅速にコントロールすることができる。
[英文要旨原文]


TECHNICAL BRIEF:
S. Nordestgaard, Y.P. Chuan, B. O’Neill, E. Waters, L. Deans, P. Policki, and C. Colby: In-Line Dosing of White wine for Bentonite Fining with Centrifugal Clarification. pp. 283-285.
[遠心機での清澄化を利用してベントナイトファイニングするための白ワインのインライン添加]

白ワインから混濁形成タンパク質を取り除くために、ベントナイトを使用するインライン添加法を、伝統的な一括ファイニングに代わって提案する。遠心分離と組み合わせた時、インライン添加法ではワインの損失や品質低下を減少させることができる。この生産スケールの研究の中で、シャルドネワインやセミヨン‐シャルドネワインは、3つの市販ベントナイトを用いてファイニングを行った。約3分の接触時間が、混濁形成タンパク質の吸着に充分であった。インライン添加法によって処理したワインと一括ファイニングによって処理したワインにおいて、有意な官能的差異は観察されなかった。しかし、遠心分離液中にベントナイトがいくらかキャリーオーバーしたことが観察された。ナトリウムベントナイトと比較してナトリウム‐カルシウムベントナイトを使用した時、このキャリーオーバーは顕著に減少した。キャリーオーバーはまた、より低い流速で遠心分離を操作することによって有意に減少した。
[英文要旨原文]


TECHNICAL BRIEF:
C. Casavecchia, R. Magnisi, L. La Pera, R. Maisano, and G. Dugo: Classification of Sicilian Red Wines from Autochthonous and Allochthonous Cultivars According to Anthocyanin Pattern. pp. 286-290.
[アントシアニン・パターンによる自生種や移入種から造られるシシリア産赤ワイン]

自生種や移入種のブドウ品種から造られるシシリア産ワインのアントシアニンのパターンを変数増減正準判別分析によって特徴づけして分類した。ルーチン分析に適している迅速なHPLC法によって、自生種及び移入種のブドウ品種(ネロ・ダルボア、メルロー、カベルネ・ソービニヨンとシラー)から造ったシシリア産の若い赤ワイン83サンプルで、2004年と2005年の2ヴィンテージにわたり、アントシアニンを測定した。異なる年に造られた同じブドウ品種由来のワインでは、同じアントシアニン・パターンになった。マルビジン‐3‐グルコシドが主な成分で、トータルのアントシアニジン・グルコシド濃度は、検討した全てのシシリア産ワイン中のアントシアニジン・アシルグルコシド濃度よりも高かった。正準判別分析の適用で、2004年サンプルの100%及び2005年サンプルの96%が、ブドウ品種に従って正確に分類されることが証明された。さらに判別分析で、自生栽培種であるネロ・ダルボアから造ったワイン中の差異が最も大きいことが分かった。

[英文要旨原文]

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