American Journal of Enology and Viticulture
       論文要旨 和訳


 

Volume 58 No.4 (2007)



G. L. Hostetler, I. A. Merwin, M. G. Brown, and O. Padilla-Zakour: Influence of Undervine Floor Management on Weed Competition, Vine Nutrition, and Yields of Pinot noir. pp. 421-430.
[ブドウ樹下の地表管理がピノ・ノワールの雑草競合、ブドウ樹の栄養そして収量に及ぼす影響]

 4種類のブドウ樹下の地表管理技術〔コンポスト・バークマルチ、反射(白色)そして黒色の不織布マルチ、機械による耕土〕を、2004年から2005年の間、ニューヨークのフィンガーレイク地方の有機栽培ブドウ園において、雑草抑制、樹冠の日照状況、土壌温度、ブドウ樹成長、ピノ・ノワール果実の組成に関して評価した。コンポスト・バークマルチと黒色および白色の不織布は、耕土に比べて雑草バイオマスを有意に減らしたが、両年の、ブドウ樹勢または越冬一次芽の生存には影響しなかった。白色の不織布で覆ったブドウ樹は、有意に多い収量を示したが、成熟期または収穫時の果実組成においては、処理間の差はほとんど無かった。白色の不織布は、この実験の一方の年で収量を増加させたが、これら収量増加は、栽培家の標準的な機械耕土と比較して、不織布の高い費用に見合うほどではなかった。
[英文要旨原文]


G. L. Hostetler, I. A. Merwin, M. G. Brown, and O. Padilla-Zakour: Influence of Geotextile Mulches on Canopy Microclimate, Yield, and Fruit Composition of Cabernet franc. pp. 431-442.
[カベルネ・フランの樹冠の微気象、収量、果実組成に及ぼす不織布マルチの影響]

 3種類のブドウ園地表管理方法〔反射(白色)不織布マルチ、黒色不織布マルチ、ブドウ樹列の除草ストリップ〕を、カベルネ・フランの果実組成、木の成長、樹冠の日照と温度環境に関して評価した。ランダムな完全ブロックデザインを用いて、2004年から2005年の間、ニューヨークのフィンガーレイク地方の商業ブドウ園において2回の試験を行った。2 m幅または3 m幅(植栽2年後のブドウ樹のほぼ2倍のサイズ)の黒色と白色の不織布は、ブドウ樹下の除草コントロール処理を用いた中央除草列と比べて、越冬一次芽の生存に影響しなかった。両実験において、白色不織布マルチは、ブドウ園地表からブドウ果房領域へ反射する日光を増加させた(特に成長期の早い時期において)。白色不織布マルチのブドウ樹はより多くの収量を示したが、果実成熟時期または収穫時の果実の化学組成に有意な差は見られなかった。そして、地表管理システム間において、ブドウ樹の栄養状態に僅かな違いが見られた。反射不織布区画において増加した収量値は、除草剤によるブドウ樹下の雑草コントロールを用いた中央除草列の標準的な作業と比べたとき、反射不織布の著しく高いコストを補うのに十分ではなかった。
[英文要旨原文]


A. J. Fell, S. I. Dykes, L. Nicolau, and P. A. Kilmartin: Electrochemical Microoxidation of Red Wine. pp. 443-450.
[電気化学的な方法による赤ワインのマイクロオキシデーション]

ガラス状炭素電極を用いた持続的に通電による電気化学的マイクロオキシデーションを用いた赤ワインの新規熟成法について研究を行った。対照、0.67 mg/Lのオキシゲネーションを2週間隔(酸素4 mL/リットル/月に相当)、および250×6 mmガラス状炭素電極で6144 μAでの電気化学的酸化を、300リットルのタンク中で、カベルネ・ソービニヨンワインを用いて16℃で12週間(各3ロット)行った。電極では2V以上の通電が可能で、ポリフェノールの酸化とエタノールの直接的な酸化が起こった。オキシゲネーションしたワインでは結合型亜硫酸が消失が見られたが、電極による酸化では結合型亜硫酸は反応の進行とともに増加し、最終週ではアセトアルデヒドの増加も認められた。個々のポリフェノール濃度はほとんど変化しなかったが、オキシゲネーションおよび電気化学的マイクロオキシデーション処理では、対照に比べてモノマーアントシアニン類および遊離ケルセチンの減少速度が速くなった。分光光学分析では、オキシゲネーションおよび電気化学的マイクロオキシデーション処理により亜硫酸耐性色素とカラーヒュー(420/520 nm)が増加した。電気化学的なマイクロオキシデーションは、酸化速度や処理の中断を正確に制御できる赤ワイン熟成のための方法になる。
[英文要旨原文]


J. S. Jensen, B. Blachez, M. Egebo, and A. S. Meyer: Rapid Extraction of Polyphenols from Red Grapes. pp. 451-461.
[赤ブドウポリフェノールの迅速抽出]

赤ブドウのフェノール化合物濃度を評価することは、ブドウのフェノール化合物がワイン品質にどのような影響を与えるかを理解するために、重要な必要条件である。迅速でしっかりとした抽出方法を決定するために、8品種のブドウを用いて、フェノール化合物の抽出効率に与える各要因の影響について調べた。統計的に考慮された一連の階乗実験を行い、全フェノールおよびアントシアニン類の抽出に対する溶媒との接触時間、抽出温度、エタノールおよび塩酸濃度の影響を調べた。実験結果は変更された「全」抽出方法により測定した「全」濃度を比較し、比抽出効率として示した。抽出温度、エタノールと塩酸の濃度は、全フェノールおよびアントシアニン類の抽出に非常に重要な効果を与えた。最適化した抽出方法は以下のようである。すなわち、エタノール:0.1 M HCl水溶液=50:50(v/v)の溶液を、破砕したブドウと1:1(v/w)の比率で加え、最終的なエタノール濃度を〜25%(v/v)として40℃で5分間加熱し、その後中和および清澄化させる。この迅速な方法により、ブドウから81.8%の全フェノールと91.5%のアントシアニンを抽出することが可能である。
[英文要旨原文]


A. Belancic and E. Agosin: Methoxypyrazines in Grapes and Wines of Vitis vinifera cv. Carmenere. pp. 462-469.
[Carmenere種ブドウのブドウおよびワイン中のメトキシピラジン]

Cabernetに属するVitis viniferaのCarmenere種はチリで最近発見されたが、これまでMerlotと誤同定されていたブドウである。Camrmenere種は複雑なワインとなり、草質でミドリのアロマが特徴的である。実験の結果、本品種にはメトキシピラジン類が多量に存在し、おそらくこれらがCarmenereワインの強い植物的な特徴を担っていると考えられる。Carmenere種ブドウのワインは3-isobutyl-2-methoxypyrazine (IBMP)の濃度が高く(5.0 to 44.4 ng/L)、これはCabernet Sauvignonワインよりも高い値である。遺伝子型はCarmenereワインのメトキシピラジン濃度に大きな影響を与え、あるクローンでは他の3倍の濃度であった。成熟度やテロワールというより気候条件がブドウ中のIBMP濃度に大きな影響を与えた。3-Isopropyl-2-methoxypyrazineはブドウ成熟中に異なった状態で発生し、収穫年による影響は少なかった。
[英文要旨原文]


A. C. Miller, S. R. Wolff, L. F. Bisson, and S. E. Ebeler: Yeast Strain and Nitrogen Supplementation: Dynamics of Volatile Ester Production in Chardonnay Juice Fermentations. pp. 470-483.
[シャルドネ果汁の発酵中の揮発性エステル生産の動態]

揮発性エステルはブドウ果汁の酵母による発酵の際の主要な副産物であり、ワインのフレーバーに大きな影響を与える。Saccharomyces cerevisiaeの7つの菌株について、シャルドネ果汁発酵中の重要な7つの揮発性エステルの生産について測定を行った。異なる酵母菌株から醸造したワインでは、エステルの蓄積の速度や、その最大濃度、最終的な濃度に大きな違いが認めれらた。エステル生成能が「低」、「中」、「高」の3つの菌株について、種々の窒素化合物の添加がエステル生成に与える影響についてさらに実験を行った。シャルドネ果汁にリン酸2アンモニウム(DAP)(ワイン産業において一般的に使われる栄養添加剤)またはアミノ酸を添加し、酵母菌株の実験と同様にエステルの生成量を調べた。個々の窒素処理に対するエステル生成の動態は、酵母の菌株によって異なり(我々の実験では1つの株だけが窒素添加に応答した)、アミノ酸の添加よりDAPの添加の方が揮発性エステルを多く増加させた。アンモニアおよびアミノ酸の資化について測定したところ、大部分の揮発性エステルは添加したアミノ酸の分解によって生成するのではなく、少なくとも大部分は他の代謝機構で生成してることが示唆された。
[英文要旨原文]


S. Mahanil, B. I. Reisch, C. L. Owens, P. Thipyapong, and P. Laosuwan: Resistance Gene Analogs from Vitis cinerea, Vitis rupestris, and Vitis Hybrid Horizon. pp. 484-493.
[Vitis cinerea、Vitis rupestrisそしてVitis Hybrid Horizonの耐性遺伝子アナログ]

 ヌクレオチド結合部位の存在によって特徴づけられる耐性遺伝子アナログ(RGAs)をVitis cinerea、V. rupestrisそして V. hybrid Horizonからクローニングした。2種類のdegenerate PCRプライマーペアを、既知の耐性(R)遺伝子内のNBSモチーフの保存領域からデザインし、putative RGAsのPCR増幅に使用した。全体で122のputative RGA配列が、P-loop/GLPLAL-1プライマーによって、3つの遺伝子型からクローニングされた。90%またはそれ以上の塩基配列の相同性をもとに、RGAは、V. cinerea,、V. rupestrisそして Horizonに対して、それぞれ8、4、7グループに細分された。これらのクローンすべては、他のR遺伝子またはNBS-typeの塩基配列に類似性を示し、7つは高い類似性を示した。30配列がP-loop/Rev loopによってV. cinereaからクローニングされ、その内9つは他のR遺伝子の塩基配列に類似していた。19の典型的なRGAクローンは、kinase-2モチーフの塩基配列と既知のTIRまたはnon-TIRタンパク質を用いた系統解析をもとに13のTIR- (Drosophila Toll and mammalian Interleukin-1 Receptors) NBS-leucine rich repeat (LRR)-like geneと6つのnon-TIR-NBS-LRR-like geneに分類された。RGAから展開した23のsequence tagged site (STS)と3つのcleaved amplified polymorphic sequence (CAPS)マーカーをHorizon x Illinois (Ill.) 547-1からの179の実生の分離のためにチェックした。18はchi-square testによりgoodness-of-fitを示した。マーカーstkVa011は、この個体群におけるベト病耐性の分離と関連していた。これらのSTSマーカーについて、耐病性の分子育種におけるそれらの能力を、現在調査中である。
[英文要旨原文]


S. Riaz, S.Vezzulli, E. S. Harbertson, and M. A. Walker: Use of Molecular Markers to Correct Grape Breeding Errors and Determine the Identity of Novel Sources of Resistance to Xiphinema index and Pierce’s Disease. pp. 494-498.
[ブドウの育種エラーを修正し、Xiphinemaインデックスとピアス病に耐性を示す貴重な資源を同定するための分子マーカーの使用]

 過去15年にわたり、カリフォルニア大学デイビス校のブドウ育種プログラムは、ダガー線虫、Xiphinemaインデックスそしてピアス病(PD)に対する耐性を目的として、Vitis rupestris×Muscadinia rotundifoliaセレクションを評価してきた。これら交配種からのセレクションはX.インデックスとPDに大変強い耐性を示した。育種努力に加えて、これら交配種からの個体群を、遺伝子地図の発展と耐性遺伝子座を突きとめるために使用してきた。遺伝子地図作成活動は、近年、既知の地図を広げ、精密にするためにSSRマーカーを取り入れはじめた。SSRマーカーの使用により、個体群の親のマッピングがV. rupestris×M. rotundifoliaの交配でないことが明らかになった。この発見により、V. rupestris×M. rotundifoliaの161の後代の全グループを試験することにした。交配が行われたブドウ園において、V. rupestrisの雌性親を囲んでいる可能性のあるすべての雄性親に対して、真の雄性親を決定するために、15以上のSSRマーカーによる遺伝的フィンガープリントを行った。結果は、雄性親のほとんどが1961年にメキシコで採取されたV. arizonicaの品種コレクション由来であった。これらの新しく正確に同定されたコレクションは、X.インデックスとPDに大変強い耐性を持つ貴重な資源を代表している。
[英文要旨原文]


N. Mejia, M. Gebauer, L. Munoz, N. Hewstone, C. Munoz, and P. Hinrichsen: Identification of QTLs for Seedlessness, Berry Size, and Ripening Date in a Seedless x Seedless Table Grape Progeny. pp. 499-507.
[無核×無核による生食ブドウ後代における無核性、果実サイズ、成熟時期にたいするQTLsの同定]

 Ruby Seedless×Thompson Seedless(Vitis vinifera L.)の交配により得られた114のF1個体群の全種を、1340 cMをカバーする19リンケージグループにまたがって分布する154のマーカー(105のSSRs, 37のAFLPs, 5つのISSRs, 1つのRAPD, 4つのSCARそして2つの表現型マーカー)をもとにした共通遺伝子地図の作成に使用した。次の特性、すなわち、種子の数、種子とその残がいの全フレッシュおよび乾燥重量、果粒サイズと重量そして成熟時期を、無核性のlater quantitative loci(QTL)分析のために評価した。無核性の副特性にたいする主要な影響(Kが45%以上)をもつQTLは、リンケージグループ18に見出された。果粒サイズ、果粒重量、成熟時期にたいするQTLsも同じ位置に見出され、このことは、多面発現性効果を示唆している。無核ブドウは、より小さく、早い成熟期を示した。無核にたいする4つの他のマイナーQTLsは、リンケージグループ4、8、15、16に見出された。これらの結果は、以前の研究と一致し、この複雑な特性の量的そして質的性質を反映している。
[英文要旨原文]


L. Perrin, R. Symoneaux, I. Maitre, C. Asselin, F. Jourjon, and J. Pages : Comparison of Conventional Profiling by a Trained Tasting Panel and Free Profiling by Wine Professionals. pp. 508-517.
[訓練したパネルによる従来型プロファイリングとワイン専門家による自由プロファイリングの比較]

ワイン産業では、ワインは専門家によって特徴を調べることが良く行われる。官能分析あるいは「従来型プロファイリング」に用いられる方法では、徹底的で特別に訓練したパネルが必要であり、従って訓練を受けていないパネルはたとえワインの専門家であろうと使用することが出来ない。もっと自発的な方法として、時間を必要とせず、徹底的な訓練が必要でない自由プロファイリングなどがある。本研究ではワインの専門家による自由プロファイリングで得られるワインの特徴と、訓練したパネルによる従来のプロファイリングの比較を行った。これら2つの方法で得られた表現は大まかには類似していたが、いくつかの不同点が認められた。自由プロファイリングでは訓練を受けていないが見識のあるワインの専門家から意味のある結果を引き出すのに良い妥協案となると考えられる。
[英文要旨原文]


RESEARCH NOTE:
T. L. Galvan, E. C. Burkness, Z. Vickers, P. Stenberg, A. K. Mansfield, and W. D. Hutchison: Sensory-Based Action Threshold for Multicolored Asian Lady Beetle-Related Taint in Winegrapes. pp. 518-522.
[ワイン用ブドウにおけるナミテントウ汚染の官能的識別閾値]

ナミテントウの対策において栽培者の助けとなるようFrontenacワイン用ブドウでの識別閾値を調べた。生きた成虫のナミテントウを用いて、非感染ブドウへ人為的に感染させた場合のブドウの汚染の識別閾値を決定した。パネルを用いた一連の3択テストにより、ナミテントウ非感染のブドウから醸造したワインと、感染レベルを増加させたワインとの比較を行った。ブドウ1キログラムあたりのナミテントウの感染数と3択テストの正答率との関係を見るために、ロジスティック回帰を行った。同じロジスティック回帰モデルを用いて、ロジット確率関数による正答率の確率を推定した。また、同じ回帰モデルにより与えられた正答率に対する感染レベルの推定も行った。10%のパネルがナミテントウのオフフレーバーを認識できる推定閾値はブドウ1キログラム当たり1.9匹、またはブドウ1果房当たり0.27匹であった。本実験で示した閾値はワイン用ブドウのナミテントウに対する識別閾値と考えられる(たとえばブドウ1キログラム当たりのナミテントウの数など)。この新規識別閾値はブドウのナミテントウ対策に知見を与えるものであり、現存する制御法やサンプリング法と組み合わせることで、ワイン用ブドウのナミテントウに対する害虫対策の基礎をなすものである。
[英文要旨原文]


RESEARCH NOTE:
A. Versari, R. B. Boulton, and G. P. Parpinello: Analysis of SO2-Resistant Polymeric Pigments in Red Wines by High-Performance Liquid Chromatography. pp. 523-525.
[高速液体クロマトグラフィーによる赤ワイン中の亜硫酸耐性ポリマー色素の分析]

既存のHPLC法移動層にSO2を添加するという単純な変更により、シリカベースのポリマーカラムによる赤ワイン中の非脱色性ポリマー色素の分析のための方法を始めて記載した。Pinot noir、Merlot、Cabernet Sauvignon、Cabernet franc、Sangiovese、CagnulariおよびCannonauブドウより製造したワイン試料(大部分が2001年)は、520 nmの吸光度が0.1〜10の範囲であった。実験結果は既存の分光分析法で求めた亜硫酸耐性ポリマー色素濃度と比較した(R2 = 0.992)。これらのワインでは、脱色されたポリマー色素の色調に対する脱色されなかったポリマーの色調の比が0.19で、変動係数34%であった。本HPLC法で推定した亜硫酸耐性ポリマー色素はHarbertson and Adamsのタンパク質沈殿分光光学法とも良い一致を見せた(R2 = 0.950)。
[英文要旨原文]


RESEARCH NOTE:
R. Blaich, J. Konradi, E. Ruhl, and A. Forneck: Assessing Genetic Variation among Pinot noir (Vitis vinifera L.) Clones with AFLP Markers. pp. 526-529.
[AFLPマーカーを用いたピノ・ノワール(Vitis vinifera L.)クローン間の遺伝的変動の評価]

 種々の形質(房の形態、熟度、樹冠成長)を示す70のピノ・ノワール(Vitis vinifera L.)クローン間のクローン変動を、178の反復デザインAFLPマーカーを用いて研究した。同一のフィンガープリントを示した「最も一般的な」遺伝子型は試験したピノクローンの17(24.7%)からなると評価された。48クローン(68.6%)からなる最も大きなグループは、主要な同一グループと比較して、99%の遺伝子的類似性の範囲で分析された。24クローンのグループは、1%以上の差に位置していた(99.1から94.0%遺伝子類似性)。房の形態にたいする形質特異的マーカーは、選択したマーカー範囲では同定されず、共通の地理的起源も、研究に用いたクローンにたいしては決定されなかった。ピノ・ノワールはクローン内そしてクローン間の両方の変動を示すと思われる。
[英文要旨原文]


RESEARCH NOTE:
S. Vezzulli, S. Civardi, F. Ferrari, and L. Bavaresco: Methyl Jasmonate Treatment as a Trigger of Resveratrol Synthesis in Cultivated Grapevine. pp. 530-533.
[栽培ブドウ樹におけるリスベラトロール合成の引き金としてのジャスモン酸メチル処理]

 ブドウ果実へのジャスモン酸メチル(MeJA)の外的添加が、植物体におけるリスベラトロール合成の増強に及ぼす影響を試験した。MeJAは、種々の生育プロセスと防御応答を仲介する細胞内の重要な制御物質として機能する植物揮発性物質である。MeJAスプレー溶液を用いた処理を3309 C 台木に接いだVitis vinifera cv. Barberaに、渇水状態および通常の灌水状態において、結実、ベレーゾン、成熟の各時期に施した。累積的なMeJA処理は、成熟期の果実リスベラトロールおよびビニフェリン生産を増加させた。水分ストレスはスチルベン合成に影響しなかった。
[英文要旨原文]


RESEARCH NOTE:
T. L. Sampaio, J. A. Kennedy, and M. C. Vasconcelos: Use of Microscale Fermentations in Grape and Wine Research. pp. 534-539.
[ブドウおよびワイン研究のための小スケール発酵の使用]

小スケール発酵法を開発し、商業規模の発酵と比較した。この方法では4リットルの発酵容器に3.5キログラムの果実を用いた。小スケール発酵では、発酵中はワインへのフェノール化合物の抽出が遅延したが、8日目には果皮由来のflavan-3-ol類は商業規模のものと同じになった。発酵のロットによる成分の変化は非常に少なかった。プロアントシアニジンの分析をしたところ、小スケール発酵では、全量および種子由来のプロアントシアニジンの比率が商業規模の発酵に比べて低かった。色調、揮発酸、酸化および腐敗については有効に制御できた。これらの結果から、小スケール発酵法はブドウ学およびワイン学的な研究において有用であることが示唆される。
[英文要旨原文]


RESEARCH NOTE:
A. M. Vargas, M. D. Velez, M. T. de Andres, V. Laucou, T. Lacombe, J.-M. Boursiquot, J. Borrego, and J. Ibanez: Corinto bianco: A Seedless Mutant of Pedro Ximenes. pp. 540-543.
[Corinto bianco:Pedro Ximenesの無核変異種]

 栽培種Pedro Ximenesは有核のワイン用ブドウである。Corinto biancoは、コレクションとして保存されている単為生殖性無核品種である。今日まで、二つの品種が関連しているとは考えられていなかった。この研究において、25のマイクロサテライト座に対する同一のDNAプロフィルが、両品種において観察された。形態的特徴のなかで、両品種は、種子が存在するか否かの違いがあり、そして果粒サイズ、房の形態とサイズのように種子に関連した特徴において異なっていた。これらの結果は、両品種が同一起源の胚から生じ、一方は他方の変異体であることを示唆している。親子解析は、Pedro Ximenesの有望な親が栽培種Gibiであることを明らかにした。
[英文要旨原文]


RESEARCH NOTE:
M. F. Gonzalez, J. Martinez, and A. Mena: Morphological and Molecular Characterization of Grapevine Accessions Known as Moravia/o (Vitis vinifera L.) . pp. 544-547.
[Moravia/o(Vitis vinifera L.)として知られるブドウ系統の形態学および分子生物学的特徴づけ]

 Moraviaとして知られる代表的なブドウの系統(Vitis vinifera L.)とそれらの異名種は、スペインのCastilla-La Mancha地方に生育する、古くからの不均一な少数グループを代表する品種として特徴づけられている。この研究は、42の形態学的記述用語、3つのアイソザイムシステム、12のマイクロサテライト座を用いて、12の系統を特徴づけ、同定した。研究されたブドウ系統において、いくつかの異種同名と同種異名そして命名エラーが明らかになった。アンペログラフィー(ブドウ記述学)とマイクロサテライト解析は、系統を区別するのに最も効果的な技術であり、後者は、栽培種の正確な同定の決めてとなる。アイソザイムによる違いは、先の方法にくらべて、あまり見られなかった。新しいMoravia Dulce品種が記述された。
[英文要旨原文]


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