American Journal of Enology and Viticulture
       論文要旨 和訳


 
Volume 62, No.3 (2011)
N. Fontes, H. Gerós, and S. Delrot
Grape Berry Vacuole: A Complex and Heterogeneous Membrane System Specialized in the Accumulation of Solutes
pp. 270 – 278 [
英文要旨原文]
[ブドウ果粒の液胞:溶質の蓄積に特殊化した複雑で多様な膜システム]
液胞は細胞のタイプ、組織、椊物の成長段階に依存した高度に限定された機能を果たしている。この複雑で動的な細胞小器官は、ブドウ果粒細胞の主要な貯蔵器で、果実の成長と成熟の間に主要な役割を果たす。果粒の成長は、サイズ、組成、色、テクスチャー、フレーバー、病害感受性の変化をともない、これは主に液胞内容物の変化による。大部分の香りそしてフレーバー化合物は果粒中で上均一に分布している。そして液胞の数やタイプは、組織(果皮、果肉、種子)に依存して変化する場合がある。椊物細胞に広く分布している分解性とタンパク質貯蔵液胞とともに、フェノール液胞もまた、ブドウ細胞における細胞蓄積にかかわっている。ベレーゾン以降、ブドウ果粒の成長がもっぱら細胞の拡張の結果であるとき、液胞膜輸送タンパク質は、液胞へのかなりの量の糖の輸送と水の取り込みを仲介し、大きな液胞膨張へと導く。V-ATPase とV-PPaseポンプは、液胞膜を横切るプロトンの電気化学的勾配を形成し、それは順番に、荷電そして非荷電の溶質の取り込みを活性化する。糖質、有機酸、水、イオン、アントシアニンの取り込みを仲介する幾つかの液胞膜タンパク質がクローニングされ、そして幾つかは機能的に特徴づけられている。このレビューでは、液胞の貯蔵機能、その構造、そしてブドウ果粒の成長と成熟に関連した変化に焦点をあてる。

N. Fontes, M. Côrte-Real, and H. Gerós
New Observations on the Integrity, Structure, and Physiology of Flesh Cells from Fully Ripened Grape Berry
pp. 279 – 284 [
英文要旨原文]
[完熟したブドウ果粒由来の果肉細胞の完全性、構造、生理機能における新しい観察結果]
柔らかく熟した果粒の生理的/構造的状態は、依然として論争の事柄である。ワイン用とテーブル用栽培種の両方の熟した果粒から単離された中果皮細胞を、果肉細胞の組織化、機能、生存率を明確にするために、明視野、蛍光、共焦点顕微鏡そしてフローサイトメトリーにより研究した。フローサイトメトリー分析により、ブドウ果粒中果皮組織からのプロトプラスト化が、無傷で生存している細胞の一つの上均一な個体群を生み出すことを確認した。さらに、原形質膜の完全性と細胞内の膜システムの構造と複雑性もまた、共焦点顕微鏡イメージングを組み合わせたFM1-43染色によって示された。観察された蛍光グルコース類似体2-NBDGの取り込みは、エンドサイトーシスが、細胞外にある糖の輸送と細胞内局在化をともなうことを示唆している。ニュートラルレッド染色により、おそらく成長期の果実の液胞の多面的な役割に関連した、液胞器官の複雑な組織化、大きさ、多様性、完全性が確認された。

A.P. Viana, S. Riaz, and M.A. Walker
Evaluating Genetic Diversity and Optimizing Parental Selections in a Segregating Table-Grape Population
pp. 285-290 [
英文要旨原文]
[テーブル・ブドウの遺伝的多様性の評価と親選抜の最適化]
非間接的な選抜を行うために開発された古典的な育種法はまれにブドウにも応用されてきた。計測が困難である、あるいは計測費用が高い形質が非間接的な選抜に強い相関性をもつかどうか決定するために、膨大な形質の遺伝的多様性を評価することもこれらの方法に含まれている。これらの方法を評価し、最も相関性の高い形質を決定するために、D8909-15 (Vitis rupestris × V. arizonica/girdiana) × B90-116 (V. vinifera)間の交雑から得られた113の子孫を13の形質(房数、葉の形態、房の長さ、花梗の長さ、房あたりの果実数、10粒重、種の数、種の形質、果実の色、糖度、pH、酸度、アントシアニン)で評価した。D8909-15はピアース病、オオハリセンチュウ(Xiphinema index)に対する抵抗性を有しており、B90-116は大粒系無核ブドウの選抜用である。遺伝型間の遺伝的多様性を評価するために、多変量解析を適用した。遺伝的変異はすべての形質で確認された。ウォード法は、例えば、オオオハリセンチュウおよびピアース病に対する抵抗性とともに、高収量、高品質をもつ子孫など、10のクラスターに分けることに成功した。形質間の相関関係は高い生産性(房の数)、高糖度、中程度のpH、酸度および少ない種をもつ遺伝型の選抜が可能であることを示唆した。主成分分析の結果、種の形質は子孫間で変化がなく、葉の切れ込みは遺伝型の特徴および識別にとって最も重要性の低い形質であった。

V. Lim, S.J. Harley, and M.P. Augustine
Noninvasive Identification of Tainted Corks in Full Intact Wine Bottles: A Low-Pressure Room Temperature Study
pp. 291-297 [
英文要旨原文]
[打栓された汚染コルクの非接触検出~低圧室温研究]
未開栓のワインボトルのコルク中の2,4,6-trichloroanisole (TCA) やコルク汚染物質を非接触*非破壊で調べるための装置の設計と操作について記した。打栓されたコルク中のTCAを検出するために、減圧予備濃縮用の市販の固相微量抽出ファイバーとGC-MSを用いた。機器の校正に関する実験と、意図的に汚染されていない、あるいはワインボトルに打栓されたものの測定結果を示した。本研究により減圧でのフルボトルのスクリーニングを行った結果、本方法はボトル、シールやラベルを傷めたりすることなく、打栓されたコルクのTCA汚染を検出する定性的な可能性を見出した。

T.A. Hatch, C.C. Hickey, and T.K. Wolf
Cover Crop, Rootstock, and Root Restriction Regulate Vegetative Growth of Cabernet Sauvignon in a Humid Environment
pp. 298-311 [
英文要旨原文]
[被覆作物、台木および根域制限は湿潤な環境におけるカベルネ・ソーヴィニヨンの栄養成長を制御する]
湿潤環境下におけるカベルネ・ソーヴィニヨンの栄養成長を制御する方法として、被覆作物、台木、および根域制限を評価した。垣根の下は85センチ幅で被覆作物を椊栽せず、列の中央部だけ椊栽した実験区と列の中央部と垣根の下部分に被覆作物を椊栽した実験区(UTCC)を分割プロット法にて比較検討した。台木 Riparia Gloire (リパリア)、420A、および101-14を分割プロットとし、一方で2つの処理(0.015立方メートルの布袋で根域制限した実験区と根域制限なしの実験区)を比較した。根域制限とUTCCは、新梢および副梢の成長、幹の円周および冬季剪定枝重によって測定されたように、独立的に栄養成長を抑制する方向に効果を示した。リパリアは調査した3種の台木の中で栄養成長を制限する最も効果的な台木であった。リパリアに接いだ場合、420Aや101-14に接いだ場合よりも、25%の剪定枝重減となった。垣根の下部分に被覆作物を椊栽した場合、除草剤で除草した場合に比べ、47%の剪定枝重の減少になった。樹冠の構造はUTCCと根域制限によって好転したが、台木による影響は認められなかった。炭素安定同位体比で測定したように、根域制限は果実と葉身の同化に対する差を減少したが、垣根下部の管理は慢性的な水ストレスには影響しなかった。UTCCおよび根域制限の主要な直接的影響は梢(木部)の水ポテンシャルを持続的に減少することであった。気孔伝導度および同化率は水分上足が上昇することによって、特に根域制限のブドウ樹で抑制された。これらの結果は、アメリカ東部のような上定期に雨が降る条件下において、より好ましいブドウ樹のバランスを構築するための測定を現場で行えることを示唆する。

C. Intrieri, I. Filippetti, G. Allegro, G. Valentini, C. Pastore, and E. Colucci
The Semi-Minimal-Pruned Hedge: A Novel Mechanized Grapevine Training System
pp. 312-318 [
英文要旨原文]
[新しい機械化された仕立て法:Semi-Minimal-Pruned Hedge]
機械化剪定と収穫のためにデザインされた新しい仕立て法「Semi-Minimal-Pruned Hedge(SMPH)《について、サンジョベーゼを用いて評価を行った。SMPHは機械選定できる垣根を形成するようにspur-pruned cordon (SPC)から派生したものである。2005年から2008年まで、80センチ(SMPH80)と120センチ(SMPH120)の高さのSMPHをSPCと比較した。平均して、列1メートルにつき、SMPH80は332およびSMPH120は479の芽を持っており、SPCでは列1メートルにつき18節を有していた。SMPHの梢は、SPCに比べ、より広い葉面積、より大きな葉面積比および作付け比、35%から40%の収量増を示したが、果汁の可溶性固形物、pH、および酸度には差が認められなかった。果皮のアントシアニン量はSMPH、特にSMPH120の梢で高かった。SPCに比べ、SMPHでは数は多いが小さな房であり、ボトリチス菌にも罹っていなかった。SMPH120は隔年結果する傾向が認められた一方、この影響はSMPH80では最小であった。2006年に計測した新梢の成長はSMPHで低く、シーズンを通しての樹冠による光遮断はSPCに比べSMPHで高かった。SMPHにおける単一葉の同化作用はSPCと同程度であった。いずれのSMPHでも、機械による収穫は可能であった。これらの研究成果は、機械化が可能で、高収量、高品質、ブドウ灰色かび病に罹り難いという明確な結果であったため、2つのSMPHシステムが産業レベルでの更なる評価を受けることを保証するものである。

J.C. Danilewicz
Mechanism of Autoxidation of Polyphenols and Participation of Sulfite in Wine: Key Role of Iron
pp. 319-328 [
英文要旨原文]
[ワイン中でのポリフェノールの自動酸化の機構と亜硫酸の関与~鉄の関与について]
ワインと酸素の反応において鉄(Fe)の関与があることは、少なくとも80年前に提唱されている。ワインを空気に暴露した場合、一部のO2は速やかに反応し、一部はFeをFe (III)の状態に酸化し、一部は上安定と考えられるペルオキシドを生成した。これらの酸化型の中間体はワインのポリフェノールを酸化する原因物質と考えられる。本研究では、モデルワイン中の(+)-catechinの酸化について再実験し、他の酸化状態が見られるかを検証した。亜硫酸が無い場合、初期のO2の取り込みは少なく、次の反応が起こった。この初期のO2の取り込みはFe(II)およびCu(II)の濃度により増加した。従ってFeは初期の反応物質であり、FeをFe(III)として添加しても以降の取り込みは無かった。一方亜硫酸の存在下では、(+)-catechinの取り込みは激しく増加し、その後金属イオンに由来すると考えられる初期のより一過的な酸化が認められた。(+)-catechin存在下では、全てのFeを酸化するには上十分な量のO2が取り込まれるため、ペルオキシドのような他の酸化物の生成は考えにくい。亜硫酸のような求核基がキノン類と反応することで酸化を促進する証明も得られた。亜硫酸存在下での酸化速度は(+)-catechin< caffeic acid< (−)-epicatechin < gallic acidの順で増加した。酸化の速度は、それぞれのキノン類の比反応性によって決定されると考えられる。亜硫酸が無い場合、これらのフェノール化合物は非常にゆっくりと酸化された。最初のより早い酸化状態は白ワインでも認められた。

D. Tomasi, G.V. Jones, M. Giust, L. Lovat, and F. Gaiotti
Grapevine Phenology and Climate Change: Relationships and Trends in the Veneto Region of Italy for 1964–2009
pp. 329-339 [
英文要旨原文]
[ブドウにおける季節学と気候の変化:1964年から2009年間のイタリア・ヴェネト州での関連と動向]
長期(1964年から2009年)且つ多品種のヴィティス・ヴィニフェラを用いた本研究データは、イタリア・ヴェネト州での成長時期における品種間の類似性あるいは相違性、気候と気候変化に関する関連についての比較評価を提供する。調査した品種の萌芽から収穫時期までの期間は4月中旬から9月末まで渡っているが、品種によって55日も異なっていた。主な季節学的な現象として、開花からヴェレゾーンまでの間隔は、最も早い年と最も遅い年では25日から45日の差を示した。1964年から2009年までに、開花、ヴェレゾーンおよび収穫時期では13日から19日早い傾向が見つかり、萌芽は高い年次変化を示したが、一定の傾向は認められなかった。早熟の品種は高い割合で変化したが、早熟、中熟、晩熟の品種では主な季節学的現象は類似していた。ヴェネト州の季節変化は、1990年から1991年を境に、晩熟品種よりも早熟および中熟品種で早く変化するといった季節学的に重要な区切りを引き起こした。1964年から2009年までの平均気温は2.3度上昇した一方、年間および季節降水量は優位な変化は認められなかった。1964年から2009年まで、萌芽から収穫までが最も短い年と最も長い年の間では2度の差が認められた。季節学的現象と気候で確認された傾向は、気温が1度上昇すると平均8日変化することであった。極端に暑かった2003年の夏(生育期間が短縮)と暖かい春であった2007年(季節学的現象が変化)は、今世紀末に投影されるかもしれない気候条件を示している。

T. Becker and M. Knoche
Water Movement through the Surfaces of the Grape Berry and Its Stem
pp. 340-350 [
英文要旨原文]
[ブドウ果実表面および果梗を通しての水分の移動]
収穫されたブドウ果実(ヴィティス・ヴィニフェラ品種シャルドネ、ミュラー・トゥルガウ、リースリング)の水分の取込みと蒸散について、重量測定で分析した。水分移動は直線的に時間と相関した。果実表面からクチクラを剥ぎ落とすことにより、水分の取込みは73倊、蒸散は7倊増加した。果梗を塞ぐことによって果実表面への水分移動を抑制した結果、水分の取込みで76%、蒸散で16%減少した。果実表面積に対し、取込み率は弱い相関を示した一方、蒸散は強い相関を示した。蒸散率は果実側面よりも果頂で44%高かった。成熟課程のリースリング果実の水ポテンシャルは、満開後20日から76日の間、−0.52 (±0.18)から −0.58 (±0.15) メガパスカルでほぼ一定であったが、満開後131日目では−1.56 (±0.04)まで減少した。水分取込みに対するリースリング果実のクチクラの透過性は、満開後28日から131日までの間に、43.3 (±7.0) nm/s から 4.1 (±1.2) nm/s まで減少した。蒸散に対するリースリング果実のクチクラの透過性は、満開後28日から131日までの間に、7.3 (±0.3) nm/s から 1.6 (±0.0) nm/s に減少した。水分取込みは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化、または塩化アルミニウム(すべて 1mM から100 mMまで試験した)により影響を受けなかった。唯一、塩化マグネシウムだけが水分の取込みをわずかに上昇させた。2 度から35 度まで温度を上げることにより、リースリングおよびミュラー・トゥルガウ果実の水分取込みは2.2倊に上昇した。水分取込みおよび蒸散における果梗と果実表面の流速、流量および浸透性を議論し、想定される気象条件下でのリースリング果実における維管束および表面での水分移動のための水分バランスを評価する。

B.W. Zoecklein, Y.S. Devarajan, K. Mallikarjunan, and D.M. Gardner
Monitoring Effects of Ethanol Spray on Cabernet franc and Merlot Grapes and Wine Volatiles Using Electronic Nose Systems
pp. 351-358 [
英文要旨原文]
[Cabernet francおよびMerlotのブドウおよびワイン揮発性成分のニオイ識別装置を用いた分析におけるエタノール噴霧の影響]
べレゾン期にアルコール水溶液(5%)を噴霧したブドウおよびそのワインの揮発性化合物の違いを調べるために、2種類のニオイ識別装置(ポリマー伝導度と弾性表面波)の可能性について検証した。エタノールを噴霧すると処理直後からエチレン生産が引き起こされ、それは経過とともに減少する。Cabernet francおよびMerlotについて、ニオイ識別装置と物理化学的性質あるいはガスクロマトグラフィー、または官能検査のデータを比較した。正準判別分析および主成分分析では、両ニオイ識別装置と物理化学的分析(Brix、滴定酸度、pH、色調強度、ヒュー、全フェノール濃度、グリコシドおよびブドウ重量)は、エタノール処理と非処理のブドウおよびワインの識別が両品種ともに可能であった。ブドウの物理化学的測定による判別では、ヒュー、非フェノール性グリコシドおよび全フェノール濃度による寄与が大きかった。消費者をパネルとした官能検査では、Merlotについてはエタノール処理と非処理の違いが検出されたが、C. francでは検出されなかった。

P. Rodríguez-Rodríguez and E. Gómez-Plaza
Effect of Volume and Toast Level of French Oak Barrels (Quercus petraea L.) on Cabernet Sauvignon Wine Characteristics
pp. 359-365(Research Note) [
英文要旨原文]
[Cabernet Sauvignonワインの特性に与えるフレンチオーク樽の容量と焼き具合の効果]
C. Sauvignonワインを用いて、フレンチオーク樽の焼き具合(mediumとmedium-plus)と容量(300および500L)の違いについて2年のビンテージにわたり調べた。ワインの最終的な特性と、物理化学的が熟成後のワインに影響を与えるかを調べるため、色彩特性、オーク由来のアロマ化合物、ワインの官能特性を12ヶ月に亘り調べた。低用量でmedium-plusの樽が色彩特性、オーク由来のアロマ化合物および官能特性において高評価であった。しかし、ワインの物理化学的特性も最終的なアロマ特性に寄与することが示された。

E.S. King, I.L. Francis, J.H. Swiegers, and C. Curtin
Yeast Strain-Derived Sensory Differences Retained in Sauvignon blanc Wines after Extended Bottle Storage
pp. 366-370(Research Note) [
英文要旨原文]
[ビン熟後のSauvignon blancワインにおける酵母株由来の官能的差異について]
若いS. blancワインでは、発酵に使用する酵母の株によって揮発性チオール類や官能特性の違いが生じる。このような酵母由来のアロマの違いはあまり長く続かないと考えられてきた。そこで異なる酵母株で独立に2ロットずつ製造したS. blancワインについて、3年間セラーで貯蔵後の実験を行った。6ヶ月後のデータと比較すると3年後のワインでも、揮発性化合物の組成と官能特性に差異が検出され、酵母株の影響が引き続き存在することが示された。この結果は、酵母株の選択がワインのフレーバーに重要であることを示している。

E. Díaz-Losada, A. Tato Salgado, A.M. Ramos-Cabrer, and S. Pereira-Lorenzo
Determination of Genetic Relationships of Albariño and Loureira Cultivars with the Caiño Group by Microsatellites
pp. 371-375 [
英文要旨原文]
[マイクロサテライトによるCaíñoグループとAlbariño、Loureira 品種の遺伝的関係の解析]
ブドウ生殖質資源バンクEVEGAは、15のガリシア品種の135アクセッション(系統種)を有している。33 のマイクロサテライト分析によって、AlbariñoとLoureira 品種はスペイン西ガルシアのCaíñoグループに関係があることが明らかとなった。尤度比は、Caíño Blancoの親として、Albariñoと Caíño Bravo間の親子関係の仮説を支持した。LoureiraはCaíño Bravoと各々の遺伝子座において対立遺伝子を共有していたことから、交雑による近縁関係が示唆された。Caíño Bravoは、33遺伝子座のうち32を共有していたことから、4つの品種(Caíño Blanco、Caíño Longo、CastañalおよびLoureira)と他の2品種(Caíño Redondo1および Sousón)と直接的な関係が認められた。この結果は、Caíño Bravoはこの系統の起源であり、Caíñoグループの重要な品種であることを示唆する。

L.G. Marsal, I. Baiges, J.M. Canals, F. Zamora, and F. Fort
A Fast, Efficient Method for Extracting DNA from Leaves, Stems, and Seeds of Vitis vinifera
pp. 376-381 [
英文要旨原文]
[ヴィティス・ヴィニフェラの葉、茎および種からの迅速で高効率のDNA抽出法]
ヴィティス・ヴィニフェラの葉、茎および種からDNAを抽出するための新しい方法は、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム(DTAB)と臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を使用し、DNA抽出が難しい組織からのDNA抽出に最適である。この方法は、市販DNA抽出キットと同じくらい迅速にDNAを抽出でき、試料の量も少なくて済む。この方法はRNA分解酵素処理を必要としないので、費用も8分の1ほどである。異なる組織に同じDNA抽出法を適用できることは、2つの理由で優位性がある。ひとつ目は、試料による上均一性を減らすことができ、ふたつ目は、冬を含めて、いかなるシーズンの試料にも適応できることである。この方法はヴィティス・ヴィニフェラの葉、茎および種から高収量および高品質のDNAを抽出することができ、使用した組織や成熟ステージに関わらず、SSR分析において、同一の結果を保証する。さらに、この方法は茎にも適応できるので、苗の品質管理の第一段階として使用することも可能である。

M. Lacorn, C. Gößwein, and U. Immer
Determination of Residual Egg White Proteins in Red Wines during and after Fining
pp. 382-385(Technical Briefs) [
英文要旨原文]
[清澄化中および処理後の赤ワインにおける卵白タンパク質の残存量の定量]
法的必要性およびアレルギー患者のリスク判断の両面から、清澄化処理後のアレルギー性タンパク質を検出する手段が必要である。このようなアレルギーを引き起こすものの一つに卵白由来のタンパク質画分がある。市販の卵タンパク質検出キットの効力を卵タンパク質を添加したワインを用いて評価した。校正には全卵粉末を用いた。同一条件(Intra-assay)での分析精度および分析(Inter-assay)による再現性について調べたところ、変動係数は7.3%と11.9%であった。赤ワインに添加した卵タンパク質の回収率は80~110%であった。実地実験の結果、清澄化中の卵タンパク質濃度は異なったが、瓶詰め後のワインでは、その濃度は検出されないかあるいは1 mg/L以下の濃度であった。



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