American Journal of Enology and Viticulture
       論文要旨 和訳


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Volume 64, No.3 (2013)
A.Herrero-Langreo, B. Tisseyre, J.P. Goutouly, T. Scholasch, and C. van Leeuwen
Mapping Grapevine (Vitis vinifera L.) Water Status during the Season Using Carbon Isotope Ratio (δ13C) as Ancillary Data
pp. 307-315 [
英文要旨原文]
[補助データとして炭素同位体比(δ13C)を用いたブドウ樹の水分状態のマッピング]
ブドウ樹の水分状態はワインの品質と生産量に影響するため、ブドウ樹の管理のための主な指標である。ブドウ畑の管理や収穫を適正に実施するためには、ブドウ畑における水分状態の空間分布特性を調べる必要がある。本研究は、ブドウ樹の水分状態に基づく補助データを用いて樹幹の水ポテンシャル(ΨStem)のための空間モデルを確立することを目的とする。収穫時期に測定した炭素同位体比(δ13C)はシーズンを通してブドウ樹の水分状態の変化だけを反映しており、窒素のように他の要因により影響をうけないため、これを補助データとして選択した。提案するモデルをブロック内で用いた。これは、ブロック外で収集されたδ13C値を用いて参照地で測定されたδ13C値の空間外挿に基づくものである。ΨStem と δ13C の測定はブロック内の96地点で連続する3年間実施した。空間モデルで得られたΨStem 値は非空間モデルから得られたΨStem 値よりも正確であり、この結果はブドウ樹の水分状態の空間分布特性を説明するためのδ13Cの適切さを示している。本研究では、前シーズンからのδ13C値を補足データとして使用した空間モデルによってブドウ樹の水分状態の地図を得ることに成功した。地図は選択した位置でのΨStem の計測を実施することによってシーズン中のいつでも更新することが可能である。このモデルはブドウ樹の水分状態をモニタリングするためのものであり、ブロック内のブドウ樹の水分状態の変化を考慮する間に管理業務を実施するための手段を提供するものである。

J.C. Danilewicz
Reactions Involving Iron in Mediating Catechol Oxidation in Model Wine
pp. 316-324 [
英文要旨原文]
[モデルワイン中での鉄が関与したカテコールの酸化について]
ワインおよびモデル系での酸素によるポリフェノールの酸化に鉄が必須な成分であることを調べた。本研究では鉄が酸化反応にどのような関与をしているかを検討した。ワインを空気から遮断した場合、鉄は2価(Fe(II))で存在したが、酸素と触れさせると直ちに3価(Fe(III))へと酸化した。この迅速な反応は、空気中の酸素で飽和したモデルワインにFe(II)を添加した場合にも見られたが、この反応はFe(III)による阻害活性により、反応終了時には大変遅くなった。4-メチルカテコールはFe(III)や酸素と反応したFe(III)とは反応しなかった。従って、カテコールは酸素のラジカル中間体とは反応しないことは明らかである。これらのことから、ワイン中では過酸化ラジカル類は生成せず、Fe(II)が酸素と反応することで過酸化水素が生成する系が考えられた。カテコールの酸化を促進することが知られている亜硫酸を添加した場合、Fe(III)は急速に還元され、Fe(III)/Fe(II)の酸化還元平衡状態となる。酸素と反応しないベンゼンスルフィン酸は同様の効果により、そしてキノンと速やかに反応する求核剤として、カテコールの酸化を促進すると考えられる。Fenton反応について調べた結果、Fe(II)を過酸化水素と反応は非常に速く、急速な酸素の取り込みが見られた。種々のリガンド存在下でのFe(II)の酸化速度とFe(III)の還元速度の比較により、還元電位に対する相関が見られた。

E.Dimkou, M.Ugliano, J-B. Diéval, S.Vidal, R.Jung
Impact of Dissolved Oxygen at Bottling on Sulfur Dioxide and Sensory Properties of a Riesling Wine
pp.325-332 [
英文要旨原文]
[Rieslingワインにおいて瓶詰時の溶存酸素濃度が亜硫酸および官能特性に与える影響]
Rieslingワインを様々な溶存酸素状態で瓶詰し、押出し型の栓およびスクリューキャップで密栓し、溶存酸素と栓の酸素透過速度がワインに与える影響を調べた。ボトリング時の溶存酸素は、特に貯蔵の最初の数ヶ月において瓶貯蔵時の亜硫酸濃度を下げた。しかし、亜硫酸の減少は、溶存酸素の変化というよりワインによって消費された全酸素濃度と相関した。栓の酸素透過速度は亜硫酸濃度に影響を与えた、この効果は瓶熟期間が大きな影響を与えた。栓はボトリングされたワインの官能特性に影響を与える重要な要因であるが、それぞれの栓の実験において、溶存酸素が大きな差異を与えた。高い溶存酸素で瓶詰めされたワインは酸化の度合いが強く、瓶熟後のワインの酒質に溶存酸素の管理が影響を与えることが確かめられた。

T.Preszler, T.M. Schmit, J.E. Vanden Heuvel
Cluster Thinning Reduces the Economic Sustainability of Riesling Production
pp. 333-341 [
英文要旨原文]
[摘房がリースリング生産の経済的持続性を縮小する]
摘房(CT)により確立した新梢ごとに、1(低い)、1.5(中程度)、2(高い)果房の収穫レベルを、摘房しない(コントロール)リースリングブドウ樹と、3年間にわたり比較した。収量は、2008年は5.2~12.4 t/haの範囲、2009年は4.0~9.3 t/haの範囲で変動した。一方、作物荷重(収量/剪定重量)は、2008年は2.9~8.7、2009年は2.9~9.9の範囲で変動した。2010年まで、作物荷重(収量/剪定重量)は、処理の間で異ならなかった。果房重量は、2008年と2009年において、CTによって影響されなかったが、2010年においてコントロール果房は、低収穫よりも39%少ない重量であった。顆粒サイズ、pH、滴定酸度、剪定重量、果房光照射、または芽の寒冷耐性に対するCTの効果は、ほとんど無いか、または無かった。収穫時における可溶性固形物は、それぞれ、2008年は、コントロールの18.2 Brixから低収穫の22.3 Brixの範囲、2009年は、18.9 Brixから22.1 Brix、2010年は、20.5 Brixから22.0 Brixの範囲で変動した。消費者によるワインアロマ分類試験は、それぞれ、2008年において低収穫ワイン、2009年において低収穫ワインと中程度収穫ワインが、アロマ特性において他の処理と異なることを明らかにした。生産者に戻るヘクタール当たりの純利益は、それぞれ、2008年は低収穫の$2,832からコントロールの$16,055、2009年は−$115から$8,596、2010年は$1,938から$4,242の範囲で変動した。CTに関連した経済的な搊失は、ブドウに対する基準市場価格が143%を超えて増加することによってのみ取り戻すことが可能であった。

R.R. Villamor, M.A. Evans, C.F. Ross
Effects of Ethanol, Tannin, and Fructose Concentrations on Sensory Properties of Model Red Wines
pp. 342-348 [
英文要旨原文]
[モデル赤ワインにおけるエタノール、タンニンおよびフルクトース濃度が官能特性に与える影響]
モデルワイン系において、エタノール(0, 8, 10, 12, 14, and 16% v/v)、タンニン(500, 1000, and 1500 mg/L)およびフルクトース(200と2000 mg/L)が20種の官能特性に与える影響を全因子計画法で解析した。予め訓練したパネルにより36のモデルワインの記述分析を実施した。分散分析により主効果により主として支配される相互作用は見いだせなかった。一般的にエタノール濃度が増加するとほとんどの因子は影響を受け(p ≤ 0.05)、化学的・木のような・スパイシー・苦味・焼けるようなといった特質は増加し、フルーティー・花のような・カラメル様の特質は減少した。同様にタンニンの濃度はいくつかの特質に影響を与えた(p ≤ 0.05)。タンニン濃度が上がると、木のような・苦味・焼けるような感覚が増し、フルーティー・スパイシーな特質は減少する傾向が見られた。一方、フルクトースの違いでは、影響を受けるものはほとんどなかったため、フルクトースは今回分析した成分のうち重要性が低いものと考えられた。これらの研究によりワインの成分により官能特性が変化することがさらに明らかになった。

J.H. Li, L. Guan, P.G. Fan, S.H. Li, and B.H. Wu
Effect of Sunlight Exclusion at Different Phenological Stages on Anthocyanin Accumulation in Red Grape Clusters
pp. 349-356 [
英文要旨原文]
[異なる生物気候学的時期の遮光が赤ブドウ果房のアントシアニン蓄積に及ぼす影響]
異なる生物気候学的時期において、ブドウ果房から太陽光を遮蔽することが、果粒組成、特に果皮のアントシアニン蓄積に及ぼす影響を調査した。太陽光は、2シーズンにわたり、3つの栽培条件(2011年は圃場、2012は温室と雨避け)で、3つの異なる時期、すなわち、赤ブドウ栽培種Jingxiu (Vitis vinifera L.)の結実からベレーゾン前の約1週間、ベレーゾン前の約1週間からべレーゾン後の約1週間、そしてベレーゾン後の約1週間から熟期まで、果房から遮蔽された。異なる時期における太陽光遮蔽は、熟期の果粒重、可溶性固形物重量、または滴定酸度に一貫して影響しなかった。しかし、結実からベレーゾン前の1週間までの太陽光遮蔽は、ベレーゾン後の1週間と熟期の両方において、果実の成長期を通して太陽光にさらされた果房(コントロール)に比べて、一貫して有意にアントシアニン含量を増加させた。ベレーゾン前の1週間からベレーゾン後の1週間まで太陽光を遮蔽された果房は、ベレーゾン後の1週間において、コントロール果房に比べて少ないアントシアニンを蓄積した。一方、太陽光の再照射は、結果として、熟期のコントロール果房に類似した総含量まで、アントシアニン合成を回復した。ベレーゾン後の1週間から熟期までの太陽光の上足は、コントロールと比べた時、アントシアニン含量に影響しなかった。結実からベレーゾン前の1週間までの太陽光遮蔽によるアントシアニン含量の増加は、赤ブドウ果皮において、より多くのアントシアニンを生産するための実践的な応用となる可能性がある。

E.Tomasino, R.Harrison, R.Sedcole, A.Frost
Regional Differentiation of New Zealand Pinot noir Wine by Wine Professionals Using Canonical Variate Analysis
pp. 357-363 [
英文要旨原文]
[基本的な特質を用いたワイン専門家によるニュージーランド産Pinot noirワインの地域の識別]
Pinot noirはニュージーランドで最も多く栽培されており、商品価値が最も高いワインになると考えられる。今日、4つの主要なPinot noir生産地域、すなわちCentral Otago、Marlborough、Martinborough、およびWaiparaのスタイルの差異を調べた研究はない。そこで、訓練されていないワイン専門家による記述分析を行った。正準変量分析をしたところ、4つのワイン地域はアロマ(馬小屋・黒チェリー・ハーブのような・ラズベリー・赤さくらんぼ・オーク・スパイス・スミレ)や口中フレーバー(フルーツ感/濃度・赤いフルーツ)、マウスフィール(バランス・ボディー・持続性)によって識別可能であった。ニュージーランドのこれらの4地域のワインはスタイルがことなっており訓練されていないワイン専門家により識別可能であることがわかった。

T.Doco, P. Williams
Purification and Structural Characterization of a Type II Arabinogalactan-Protein from Champagne Wine
pp. 364-369 [
英文要旨原文]
[シャンパン中の2型アラビノガラクタン-タンパク質の精製と構造特性]
赤ワインのアラビノガラクタン-タンパク質(AGP)は興味深い物理化学的な特性を持つ。そこでシャンパンのAGPを印イオン交換、アフィニティー、およびサイズ排除クロマトグラフィーにより分画した。糖組成はアラビノース(12.8%)、ガラクトース(68.5%)、グルクロン酸(5.9%)、微量のラムノース(0.7%)が含まれていた。シャンパンのAGPをYariv試薬と反応しゲル拡散試験を行った。AGPのタンパク質部分はヒドロキシプロリン(全アミノ酸の22%)、セリン(17.6%)、アラニン(10.8%)、グルタミン酸(10.3%)トレオニン(8.6%)であった。メチル化分析の結果、糖タンパク質の炭水化物部分は高度に分岐した構造であった。核となる部分は3位結合性のβ-D-galactopyranose単位で、6位結合性のβ-D-galactopyranoseにより枝分かれし、3位および4位がL-arabinofuranosyl残基により部分的に置換されていた。ガラクトース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸が末端に見られた。シャンパンのAGPを多角レーザー散乱を用いたサイズ排除クロマトグラフィーに供したところ、分子量は1.1 × 105 g/molで、多分散指数(Mw/Mn 1.09)は狭く、粘性([η] = 0.1 dL/g)は非常に低いことがわかった。

T.R. Burns and J.P. Osborne
Impact of Malolactic Fermentation on the Color and Color Stability of Pinot noir and Merlot Wine
pp. 370-377 [
英文要旨原文]
[Pinot noirおよびMerlotワインの色調およびその安定性に及ぼすマロラックティック発酵の影響]
マロラクティック発酵(MLF)は酸味を減らしワインに付加価値を与えるために赤ワイン製造に上可欠な工程である。本研究では、Oenococcus oeniによる色調と色素重合体の生成に重要な化合物の分解活性について調べた。Pinot noirおよびMerlotワインは、一部はアルコール発酵と同時にO. oeniのVFO株によるMLFを起こし製造した。また、アルコール発酵後のワインをフィルター滅菌後、VFO株および他の2つのO. oeni株でMLFを誘起したワインも製造した。さらにMLFを行わず、MLFを起こしたワインと同じpHに調整したワインを対照として製造した。MLFを起こしたワイン(MLF+)は、MLFしていないワインよりアセトアルデヒドおよびピルビン酸濃度が低かった。VFO株でMLFしたワインはコーヒー酸およびクマル酸濃度が高かった。MLF+ワインは色調および色素重合体濃度が低く、モノマーアントシアニン濃度が高かった。Vitisin Bの濃度はMLFしたワインで有意に低かった。これらの差異は貯蔵後9ヶ月持続し、MLFがpHの変化とは関係なく赤ワインの色調に影響することを示している。O. oeniは赤ワインの色調の変化に重要なフェノール性および非フェノール性の化合物濃度に影響を与えたが、色調および色素重合体濃度の菌株間で差異は認められなかった。

A.Palliotti, F.Panara, F. Famiani, P.Sabbatini, G. S.Howell, O.Silvestroni, S.Poni
Postveraison Application of Antitranspirant Di-1-p-Menthene to Control Sugar Accumulation in Sangiovese Grapevines
pp. 378-385 [
英文要旨原文]
[サンジョヴェーゼブドウ樹における糖蓄積をコントロールするための蒸散抑制剤Di-1-p-Mentheneのベレーゾン後の散布]
 薄膜を形成する蒸散抑制剤Vapor Gard(VG, di-1-p-menthene)の散布の効果を、ブドウの成熟を遅らせ、そして果粒の糖蓄積を減少させる技術として調査した。研究は、2010~2011年シーズンにわたり、中央イタリアのサンジョヴェーゼ種の非潅漑ブドウ園において行われた。Vapor Gardは樹冠の上部の3分の2(最も機能している葉)に、2%濃度で散布された。そして、それは葉の同化と蒸散速度を有意に低下させ、本来の水利用効率を増加させた。Fv/Fm比は変更されず、このことは、光化学系II複合体における光阻害が起こらなかったことを強調している。一方、プラストキノンの保有サイズの減少は、VG処理ブドウ樹に観察される縮小されたCO2固定と良くマッチした。両年において、VG処理は、コントロールブドウ樹に比べて、果粒の糖蓄積の速度を減少させ、枝と根における炭水化物と総窒素濃度の回復を搊なうことなく、収穫時に*1.2Brix、そして*1%のワインアルコール含量となった。同時に、ブドウとワインの有機酸、pH、そしてフェノール類の豊富さは影響されなかったが、果粒(コントロールブドウ樹に比べて*19%)とワイン(コントロールブドウ樹に比べて*15%)のアントシアニン含量に減少があった。ベレーゾン後の果房ゾーンへのVGの散布は、果粒の糖化を防ぎ、より少ないアルコールのワインを得るために、効果的で、シンプルで、そして現実的な技術である。効果的に行うために、散布は、低い位置の葉の表皮が化学物質によって十分に湿ったこと確認し、14から15Brixまでに行うべきである。

A. Puig-Pujol, E. Bertran, T. García-Martínez, F. Capdevila, S. Mínguez, and J.C. Mauricio
Application of a New Organic Yeast Immobilization Method for Sparkling Wine Production
pp. 386-394 [
英文要旨原文]
[スパークリングワイン製造のための新規固定化酵母法の利用]
スパークリングワイン製造のための新規固定化酵母法の有効性と効果を検証した。Saccharomyces cerevisiaeと糸状菌(Penicillium chrysogenum)を同時培養することで、有機細胞捕捉システム(バイオカプセル)を構築した。この固定化酵母の方法を同じ酵母株の遊離状態、あるいはアルギン酸カルシウムゲル固定化ビーズの場合と比較した。Saccharomyces cerevisiaeの2種の株をスターターに使用し、2種の異なるベースワインについて試験を行った。2次発酵中の有機細胞密閉系の代謝、醸造パラメーター、泡の形成能、および官能特性について熟成10ヵ月後に調べた。固定化の方法とベースワインの酒質は発酵挙動に影響を与えた。いくつかの固定化酵母法のバッチでは、残糖が見られた。最終的な製品中の発酵パラメーターからは、アルギン酸カルシウムで固定化した場合にカルシウムイオンの濃度がやや高くなった以外、発酵の差異を検出できなかった。バイオカプセル固定化酵母の場合、泡形成特性は遊離細胞の場合と同じかさらによい値を示した。分別分析ではバイオカプセル法は、発酵パラメーターおよび泡形成特性データにより他の2種類の発酵法から区別することが出来た。3点比較法では発酵方法の違いによる有意な差は検出されなかった。このことから、バイオカプセル法はスパークリングワインを製造するのに低価格で自然なよい方法であることがわかった。

V.Oliveira, P.Lopes, M.Cabral, H.Pereira
Kinetics of Oxygen Ingress into Wine Bottles Closed with Natural Cork Stoppers of Different Qualities
pp. 395-399(Research Notes) [
英文要旨原文]
[種々の品質の天然コルク栓で密栓したワインボトルへの酸素侵入の機序]
天然コルク栓で密栓したワインボトルへの酸素侵入の機序について、インジゴカルミン溶液の酸化を使った非破壊比色法で測定を行った。ボトル内への酸素侵入について、天然コルクの多様性を網羅するため、様々な品質、様々な厚みを持つ600の天然コルクについて分析を行った。酸素透過のメカニズムはすべて同様であり、対数モデルが適用可能であった。天然コルクによるワインボトル内への酸素の侵入に関しては、大きな差異が認められた。侵入酸素は12カ月で0.3~4.8 mg/L、21%のコルクが最終的に酸素定量の限界まで達した。本結果は酸素侵入のばらつきは、コルク栓構造における細胞の大きさや空気の体積に起因すると考えられる。

M.Lucchetta, K.F.Pocock, E.J.Waters, M.Marangon
Use of Zirconium Dioxide during Fermentation as an Alternative to Protein Fining with Bentonite for White Wines
pp. 400-404(Research Notes) [
英文要旨原文]
[白ワイン製造におけるベントナイトに代わるタンパク質吸着材としての二酸化ジルコニウムの使用]
金属網に入れた二酸化ジルコニウム(ジルコニア)のペレット(25 g/L)を発酵2日目のRiesling、Sauvignon blanc、Semillon果汁に添加した。48時間後にはジルコニアで処理した果汁中のタンパク質濃度は大きく減少し、製造されたワインは過熱安定性となった。対照の果汁と比較して、2つの果汁では発酵速度が2倊になり、他の果汁では変化しなかった。ジルコニアで処理した果汁ではいくつかのミネラル成分と酒石酸が減少し、pHが増加した。

Z.Pegram, M.T.Kwasniewski, G.L.Sacks
Simplified Method for Free SO2 Measurement Using Gas Detection Tubes
pp. 405-410(Technical Briefs) [
英文要旨原文]
[ガス検出管を用いた簡便な遊離亜硫酸測定法]
ワイン中の遊離亜硫酸(SO2)測定のため、古典的なMonier–Williams法を、鉱業用に開発された安価なSO2検出管を使用する方法に改変した。酸性化したワイン試料に炭酸ガスを発生させるために酸中和用錠剤で処理し、ガスを市販のSO2検出管に導いた。色が変化した管の長さはもとのSO2濃度と比例した。比較法として空気酸化(A-O)法をモデルワインについて行い、管の校正を行った。20 mLの資料に対して、SO2検出管法は5~40 mg/Lの範囲で直線性を示した。16のワイン(白7点、赤9点)についてSO2検出管とA-O法を行い、精度を検証した。個々のワインに対して分析した結果は±2 mg/mLの範囲で平均二乗誤差は0.89 mg/Lであった。SO2検出管法での検出限界は3.3 mg/Lであった。SO2検出管法はA-O法に対して、分析が迅速、特別なガラス機器を必要としない、などの利点がある。主要な消耗品費は検出管であり、これはサンプル量を減らすことで制度と引き換えに節約可能である。

B. Bovo, M. De Marchi, M. Carlot, S. Soligo, V. Corich, and A. Giacomini i
Indirect Evaluation of Microbial Spoiling Activity in Grape Marcs by Near-Infrared Spectroscopy
pp. 411-415(Technical Briefs) [
英文要旨原文]
[近赤外分光によるブドウ搾りかすの微生物劣化活動の間接的評価]
酵母と細菌による劣化活動に関連したエタノール、還元糖、酢酸含量を、グラッパの生産に使用されるブドウ搾りかすの生産技術的適性の指標として選択した。光ファイバーのプローブを搾りかすに接触する位置に置き、スペクトル範囲350~1800 nmの可視/近赤外分光(NIRS)を用いた。糖、エタノールそして酢酸濃度の分析測定は、実験室の標準的方法に従い、そしてPLS回帰は、非処理と前処理したスペクトルデータを用いて行った。モデルは交差検定を用いて検証された。そしてそれらの予測能力は、相互検定で決定したされる係数と交差検定の標準誤差により決定された。最も優れた予測モデルは、エタノールと糖含量に対する吸光スペクトルを用いて展開された。そして、NIRSの中程度の予測能力は酢酸に対して得られた。結果は、それらの潜在的、技術的変換の観点から、NIRSが蒸留所に到着した時のブドウ搾りかすの迅速な品質評価に使用できることを示している。



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