American Journal of Enology and Viticulture
       論文要旨 和訳


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Volume 66, No.2 (2015)
D. Uriarte, D.S. Intrigliolo, L.A. Mancha, J. Picón-Toro, E. Valdes, and M.H. Prieto
Interactive Effects of Irrigation and Crop Level on Tempranillo Vines in a Semiarid Climate
pp. 101-111 [
英文要旨原文]
[半乾燥気候におけるテンプラニーリョ樹に及ぼす灌漑および生産レベルの相互作用効果]
4年間(2005年から2008年)の圃場条件下において、地中海気候のテンプラニーリョ樹の生産力に及ぼす異なる灌漑レベルおよび生産レベルの影響について研究を行った。100、50あるいは25%の作物蒸散量(ETc)を与える灌漑処理あるいは乾燥条件にブドウ樹を供試した。それぞれの処理に対しヴェレゾーン時の摘房によって作製した2つの生産レベル(高レベルおよび低レベル)について研究を実施した。25% ETc 処理では50% ETcと同程度の収量とともに最も高い灌漑水利用効果を示したが、灌漑レベルを上げることによって収量が上がり、ブドウ樹の成長も促進された。栄養成長および生産パラメーター(例えば、葉面積指標、房重)に及ぼす処理の短期間および長期間の効果はブドウ樹の水分状態、特にヴェレゾーン前に関して、相関していた。灌漑は果汁の滴定酸度を増加したが、全可溶性固形物あるいはpHには影響を及ぼさなかった。房重の補償的な増加が低生産レベル処理で認められたけれども、摘房は高い葉面積-収量比、低い収量を結果として生じた。本研究を実施した地域の果汁pHは一般的にとても高いため、同程度のBrixでは摘房は滴定酸度を減少し、果汁pHを増加するという反対の結果が出た。25% ETc 処理は乾燥地のブドウ樹と比較して収量を増加し、また果実成分を搊なわずに水利用効果を最大限にする良い戦略であると考えることができる。

K.B. Fuller, J.M. Alston, and D.A. Golino:
The Economic Benefits from Virus Screening: A Case Study of Grapevine Leafroll in the North Coast of California
pp. 112-119 [
英文要旨原文]
[ウィルス選抜からの経済的便益:カリフォルニア州北岸におけるリールロール病の事例研究]
ウィルスおよびウィルス関連病原体は治療法がなく、種苗会社や農作物生産者に多くの負担を負わせる。ウィルス病は感染した苗木および繁殖材料を通して一般的に拡がる。しかしながら、もしウィルス・フリーの苗木を使用すれば、ウィルスの拡大を最小限に抑えることができる。この論文では、カリフォルニア州北岸におけるリーフロール病ウィルス(GLRaV-3)選抜の負担と便益について説明する。GLRaV-3フリーのブドウ樹を使用することから生じうる生産者の負担と便益を見積り、総括して北岸のワイン製造業に対する推定を行った。GLRaV-3の調査および除去プログラムから生じる経済的便益は北岸では年5000万ドルより多く、実質上負担よりも勝ることが明らかとなった。これらの結果は、病気の拡大のために罹病樹の除去および椊え替えを考えることができる圃場では、罹病樹をそのままにしておくよりもむしろ除去および椊え替えをした方が潜在的な便益が生じることを示した。加えて、著しい負担は近接する土地のウィルス罹病樹から病気が入り込むことに関連づけられることが示された。
R. Ballesteros, J.F. Ortega, D. Hernández, and M.Á. Moren
Characterization of Vitis vinifera L. Canopy Using Unmanned Aerial Vehicle-Based Remote Sensing and Photogrammetry Techniques
pp. 120-129 [
英文要旨原文]
[無人飛行機によるリモートセンシングおよび写真測量技術を用いたヴィニフェラ種の樹冠の特徴づけ]
葉面積指数(LAI)、緑色樹冠被覆(GCC)および樹冠容積(V)はブドウ樹の樹勢、品質および収量と関連がある。生育シーズンを通してこれらのパラメーターを解析することは圃場の区画特異的な管理を最適化することの手助けになるであろう。LAIを直接測定することは破壊的、退屈な作業且つ同じブドウ樹で繰り返すことができないため、LAIを評価するための非破壊的方法を開発・確認する必要がある。樹冠のパターンは、空中観測を使用して測定することができるGCCおよびVによって特徴づけられる。本研究の目的は、無人飛行機から撮影された空中写真を使用し2つの異なる圃場の半乾燥条件下で灌漑および天水栽培されたヴィニフェラ種のLAI、GCCおよびVといった生育パラメーターを特徴づけることである。GCC対LAI、V対LAI間の相関関係を算出し評価した。LAIと他のパラメーター間の相関関係は樹冠管理、整枝システムおよび剪定方法に依存していた。生育シーズンの樹冠構造を決定するために、LAIと積算温度間(GDD)およびVとGDD間の相関関係もまた得られた。指数多項式および二次指数モデルはAirén種のためにはGCCとGDD間およびVとGDD間の相関関係を描くことにより最良適合を示した。

T.R. Burns and J.P. Osborne Loss of Pinot noir Wine Color and Polymeric Pigment after Malolactic Fermentation and Potential Causes
pp. 130-137 [
英文要旨原文]
[ピノノワールのMLF後のワインカラーと重合色素の消失と潜在的原因]
ピノノワールのワインカラーと重合性色素のマロラクティック発酵(MLF)による消失と潜在的原因について調べた。色と重合色素の消失を最小にする方法として、MLFの遅延を調べた。ピノノワール・ワインはOenococcus oenos株Viniflora Oenosを接種しMLFを誘導する前、13℃で0、14、28、100及び200日間保持した。MLFの遅延は色の消失に影響しなかったが、時間を増大するMLFの遅延は重合色素の消失を減少し、対照と比べ200日後は消失しなかった。重合色素生成の減少の原因として、O. oenosのMLFによるアセトアルデヒドおよび/またはピルビン酸の分解の役割を調べた。MLFを起こさなかった対照ワインで測定した、アセトアルデヒドおよび/またはピルビン酸を、MLFを起こしたワインに添加した。アセトアルデヒドを添加して製造したワインは、添加しないで製造したMLFワインよりもカラーと重合色素が多かった。そして、ピルビン酸添加はカラー消失あるいは重合色素の濃度の変化を起こさなかった。しかしながら、アルデヒドの添加はMLF後の色の消失を完全には防がず、O. oeniによるファイニングによる色のロスを調べた。MLFを行わなかったワインはO. oeniの上活性化細胞に晒されているが、対照ワインと比較し、色、重合色素濃度、あるいはモノマーのアントシアニン濃度が変化しなかったので、MLFの色のロスはO. oeni細胞のファイニングの為ではないことが提案された。

K.D. Ricketts, M.I. Gomez, S.S. Atallah, M.F. Fuchs, T.E. Martinson, M.C. Battany, L.J. Bettiga, M.L. Cooper, P.S. Verdegaal, and R.J. Smith
Reducing the Economic Impact of Grapevine Leafroll Disease in California: Identifying Optimal Disease Management Strategies
pp. 138-147 [
英文要旨原文]
[カリフォルニア州におけるリーフロール病の経済的効果の減少:最適な病害管理戦略の証明]
リーフロール病はすべてのブドウ栽培地域で認められる破壊的なウィルス病である。圃場管理者はリーフロール病を管理するために病徴が認められる罹病樹の伐採やウィルス・フリー苗木との椊え替え、病気の拡大を減らすため、および長期にわたる影響を最小限にするためにウィルスの運び屋であるコナカイガラムシ防除のための殺虫剤の散布、そして病気の初期症状が認められた時に圃場全体を改椊することを含めて色々な戦略を適用してきた。さらに、ある圃場管理者はリーフロール病を全く管理しないことを決めている。我々はカベルネ・ソーヴィニヨン樹におけるリーフロール病の経済的影響を評価するために、ナパ、ソノマ、サン ホアキン北部といったカリフォルニアの3大ブドウ生産地の至る所の圃場管理者から実地データを収集した。本研究のゴールは、病気の広がりのレベル、価格における上利益、圃場の経年に相関した病気の開始時期、収量の減少、管理費などの色々な条件下において、管理費の最小化を目指した管理戦略を決定することである。我々の結果は、リーフロール病の経済的経費が1ヘクタールあたり29,902ドルから226,405ドルの範囲であることを示した。カイガラムシを減らすための殺虫剤と罹病樹の伐採や椊え替えとの組み合わせは、リーフロール病の広がりが低い(5から10%内)なら搊失を最小限にする。一方、地域差が認められるけれども、病気の広がりが高い場合(一般的に25%以上)であれば圃場全体での椊え替えが実行されるべきである。これらの知見は。独自の市場機会、潜在的な市場価値および年間事業費に対し地域的あるいは局所的に合わせることができる最適なリーフロール病管理戦略を3生産地の圃場管理者が検討する一助になるであろう

J. Lozano, J.P. Santos, J.I. Suárez, M. Cabello, T. Arroya, and C. Horrilo
Automatic Sensor System for the Continuous Analysis of the Evolution of Wine
pp. 148-155 (Technical Briefs) [
英文要旨原文]
[ワイン展開の連続分析の為の自動センサー・システム]
ワイン展開の連続分析の為、その場でのオンライン電子ノーズ(e-nose)を開発し、ワイナリーにインストールした。システムとして、ワイン貯蔵タンクのヘッドスペースから直接アロマ化合物を抽出する為、キャリアーガスを使用した新規サンプリング方法を使用し、揮発性化合物を自動的にセンサーセルに移動した。システムはアルミウム基質の上に無線周波数スパッタ―により調整し酸化スズを使用し、クロム及びインジウムを使用し処理した。全体システムはコンピューターにより完全に自動的に支配され、インターネットにより遠方から管理できた。主成分分析のような直線技術および技術ニューラル・ネットワークのような非直線技術がパターン認識の為に使用され、部分最少二乗分析がGC-MS分析予測の為、使用された。2つのワインの結果は、電子ノーズ系により、9ヶ月間のアロマ化合物の展開を検出した。揮発性有機化合物の酪酸エチル、イソ酪酸、イソブチル酢酸、ヘキシル酢酸およびエチルオクタノン酸の予測において、1に近い相関係数が得られた。このシステムでは、ワインの保存および展開、異臭検出のモニター訓練が可能であり、搊傷防御およびワイン品質の改善のため直ぐに問題を正す為、ワイン・エキスパートに警告することが可能である。

M.R. Hood White and H. Heymann
Assessing the Sensory Profiles of Sparkling Wine over Time
pp. 156-163 [
英文要旨原文]
[スパークリング・ワイン時間経過の官能プロファイルの評価]
スパークリングの官能評価を、炭酸ガス量および瓶内圧力を含む多くの因子により行った。カリフォルニアのブランドブラン・ワインのアロマと味への官能の特徴と、人工的核生成点のような種々の発泡条件の官能インパクトに興味を持った。アロマとフレーバー強度の発泡条件の影響と、3個の異なる発泡条件(エアドライ・ガラス、紙タオル乾燥ガラス、エッチング核点)を比較した。33吊のパネリストが各処理により、3回分析で、全体のアロマとフレーバー強度を評価した。アロマとフレーバー強度の相違には、統計的有意性がなかった。その後、8種のカリフォルニア・ブランドブラン・スパークリングワインについて、一般的記述分析により官能評価を行った。11吊の訓練ジャッジは視力、アロマ、味、マウスフィールおよび泡・記述子を使用し、スパークリング・ワインについて官能相違を調べた。同じ記述子を使用して、注いだ後1から5分後に、時間的変化の評価を行った。更に、時間経過の味とアロマに及ぼす圧の影響の決定をする為、各々の瓶の外気圧を測定した。スパークリング・ワインの1および5分の評価は、全てのワインにおいて、有意の相違を示した。相違は泡のサイズと濃度の減少により評価され、サンプルセットの中でより大きな相違を示した。即ち、ワインの中で5分にて、より大きい相違が認められた。瓶の圧と官能の寄与には、相関は認められなかった。

D. Molitor, N. Baron, T. Sauerwein, C.M. André, A. Kicherer, J. Döring, M. Stoll, M. Beyer, L. Hoffmann, and D. Evers
Postponing First Shoot Topping Reduces Grape Cluster Compactness and Delays Bunch Rot Epidemic
pp. 164-176 [
英文要旨原文]
[第一新梢の摘心を遅らせることにより房の緊密さが減少され、晩腐病の発生が遅くなる]
VSP(Vertical Shoot Positioning)選定システムにおいて、(i)房の形態 、(ii)フルーツゾーンの樹冠構成および(iii) 晩腐病の発病状況に及ぼす第一新梢を摘心するタイミングの効果を調査するための圃場試験を2種の白ワイン用ヴィニフェラ種(ピノ・グリおよびリースリング)を用いて2012年、2013年にルクセンブルグで実施した。第一新梢の摘心はおよそ1週間間隔で開花開始前1週間(BBCH57)から開花完了後4週間(BBCH75-79)までの7つのタイミングで実施した。第一新梢の摘心が遅くなると房の緊密さが減少し、晩腐病の発生も遅れ、それにより第一新梢の摘心を開花後1週間に行う通常摘心よりも潜在的に成熟期間を長くすることができた。開花後4週間での第一新梢の摘心は収量には効果はなかったが、通常よりも5%罹病率に到達する期間を11日遅らせ、0.77Brixから2.24Brixまで全可溶性固形物量を増加した。冷涼な気候条件下で果実の成熟度および潜在的なワイン品質を最適化するとともに、房の構造および健全性を向上するためには、技術的に可能な最も遅い時期まで第一新梢の摘心を遅らせることが推奨される。第一新梢の摘心を遅らせることは晩腐病の抑制において追加費用を追うことなく実施することができ、農薬使用の低減も後押しするするだろう。

S.M.O. Mantilla, C. Collins, P.G. Iland, C.M. Kidman, R. Ristic, A. Hasted, C. Jordans, and S.E.P. Bastian
Relationships between Grape and Wine Sensory Attributes and Compositional Measures of cv. Shiraz
pp. 177-186 [
英文要旨原文]
[シラーズのブドウとワインの官能評価および組成測定 ]
官能評価、組成測定の関係およびシラーズ・ブドウとワイン品質を、2009から2010および2010から2011年の2シーズンの間評価した。ワイン品質はエキスパート・パネルにて評価し、ベリーとワインの官能を記述的プロファイルで評価した。この研究において、ベリーの官能寄与単独は、ベリーの官能と組成変化の組み合わせより、良い官能寄与物であった。部分最少二乗回帰分析およびピアソンの相関は、種子の苦味とワインのセイボリースパイス香が、ネガティブな相関を示した。2011年に、果皮からのパルプ分離物は、縁の色、フレッシュな暗いベリーのフレーバー、セイボリースパイス・フレーバーやワイン品質スコアなどは、ワインの官能寄与物と相関した。ワインの色素ポリマーとワインの総タンニンのワイン官能寄与物との間の相関は、両シーズンで同一であった。最終ワイン・スタイルと品質における、客観測定として助けになるベリー官能寄与物を同定する為に、これ等の発見はブドウ栽培家とワイン・メーカーに重要である。
A. Pons, V. Lavigne, P. Darriet, and D. Dubourdieu
Glutathione Preservation during Winemaking with Vitis Vinifera White Varieties: Example of Sauvignon blanc Grapes
pp. 187-194 (Research Note) [
英文要旨原文]
[Vitis vinifera白ワイン製造間のグルタチオン保護について:ソービニヨンブラン・ブドウの例]
グルタチオン(GSH)はブドウとワインに存在する自然のトリペプチドである。その抗酸化性質は、ソービニヨン・ブランのような白品種ワイン製造に有用である。スキンコンタクトと窒素下プレスの2種の方法について、マストとワインにおけるGSH濃度への影響を調べた。最初に、GSHは果皮(64%)に報告されたが、その後ベリーに於いて果汁(51%)および果皮(40%)濃度は、パルプと種子より遥かにGSHを減少した。そこで、スキンコンタクトとプレスにおけるマストGSH濃度への影響を調べた。成熟ブドウに於いて、気候効果がGSH濃度に大きく影響した。ブドウ品質に依存し、スキンコンタクトの間、GSHは2から55%上昇し、最初の時間のマセレーションでGSH遊離が起きた。窒素の下でのプレスの間、低圧(< 1バール)の時、マストGSH濃度は上昇し、80から90 mg/Lに達した。樽内での2ヶ月の間、これらのワインはGSHをまだ多く含んでいた。もし、ワイン醸造家がGSH濃度をワイン中に多くしたいなら、スキンコンタクトと窒素下プレスは良い技術である。

T.N.L. Grant and I.E. Dami
Physiological and Biochemical Seasonal Changes in Vitis Genotypes with Contrasting Freezing Tolerance
pp. 195-203 (Research Note) [
英文要旨原文]
[耐凍性との対比におけるVitis 遺伝子型における生理学的および生化学的季節変動]
本研究において、我々は 耐凍性(LT50)、可溶性糖、特にラフィノースの季節変動に及ぼす遺伝子型および芽の位置の影響、および2年に亘る3カ所の圃場で育てられた品種の芽への人為的な脱馴化の影響を明らかにした。一般的に、基部の芽はより耐凍性を示し、耐寒性の強い品種Couderc 3309(リパリア種×ルペストリス種、以下、3309C)とコンコード(ラブラスカーナ種、以下CD)は低温感受性の高いカベルネ・フラン(ヴィニフェラ種、以下CF)に比べ最も低いLT50を示した。糖のうち、フルクトース、グルコース、シュークロース、ラフィノースおよびスタキオースはLT50と強い相関関係を示したが、芽の位置や品種に関連した示唆的な反応はラフィノースだけであった。基部の芽は多くのラフィノースを蓄積し、耐寒性の強いCDおよび3309Cでは低温感受性のCFに比べラフィノース濃度が2-3倊高かった。さらに、CDおよび3309Cは低温に暴露される前に日長が短くなるとともにラフィノースを蓄積し始めており、その結果耐凍性の早い発現につながった。これらの結果は、ラフィノース蓄積が耐凍性の早期発現と同時に起こる低温馴化過程における初期段階であることを示唆している。我々は芽におけるラフィノース濃度は有効なツールであり、耐凍性との対比において種々のVitis遺伝子型を区別するための低温馴化初期段階での代謝マーカーになり得ると結論付けた。

D. Moreno, M. Vilanova, E. Gamero, D.S. Intrigliolo, M.I. Talaverano, D. Uriarte, and M.E. Valdés
Effects of Preflowering Leaf Removal on Phenolic Composition of Tempranillo in the Semiarid Terroir of Western Spain
pp. 204-211 [
英文要旨原文]
[スペイン西部の半乾燥のテロワールにおけるテンプラニーリョのフェノール組成に及ぼす開花前除葉の影響]
スペイン西部バダホスの半乾燥のテロワールで育てられたテンプラニーリョの果皮においてフェノール物質の量的および質的組成に及ぼす開花前除葉の影響を検討した。2009年および2010年に開花前に除葉をおこなったブドウ樹と対照区のブドウ樹とを比較した。アントシアニン、フラボノール、フラバノール(カテキン、エピカテキン、フラボノール二量体B1、B2、B3)およびヒドロキシ桂皮酸を含む、果皮に含まれる42のフェノール物質について結合型、非結合型ともに同定、定量した。2009年において3-O-アシル化配糖体およびp-クマロイル配糖体は開花前除葉処理でより豊富となったが、開花前除葉は全アントシアニン量を有意に変化させなかった。有意差はないが、除葉による全フラバノールの増加傾向も認められた。除葉はフラボノール(ミリセチン配糖体、ケルセチン配糖体、ケンペロール配糖体およびイソラムネチン配糖体)、ヒドロキシ桂皮酸およびスチルベンの濃度を季節特異的に増加した。開花前除葉はアントシアニンと複合体を形成することができる物質(発色補助物質)の濃度を増加させることに貢献し、その結果ワインの色素安定を向上するであろう。

G. Giese T.K. Wolf, C. Velasco-Cruz, L. Roberts, and J. Heitman
Cover Crop and Root Pruning Impacts on Vegetative Growth, Crop Yield Components, and Grape Composition of Cabernet Sauvignon
pp. 212-226 [
英文要旨原文]
[カベルネ・ソーヴィニヨンの栄養成長、収量構成要素および果実組成に及ぼす被覆椊物および剪根の効果]
圃場の地表面(株間および条間)を完全に被覆する栽培法と剪根についてカベルネ・ソーヴィニヨンの栄養成長を抑制する技術として評価した。主プロットとして被覆椊物を、副プロットとして年間の剪根の有無を構成として持つ完全無作為分割区法により処理を準備した。被覆椊物として条間のKY-31フェスキュとともに5種のペレニアルライグラスを通常の棚下除草を行った試験区と比較した。KY-31フェスキュやオーチャードグラスは除草剤処理したブドウ樹よりも新梢の成長率をそれぞれ30%(2006年)および20%(2007年)まで抑制した。剪根は独立して新梢の成長率を抑制した。被覆と剪根の組み合わせは、各処理の単独で得られる影響よりも冬季剪定量を減少した。2010年の剪定量は剪根による管理より8%、被覆処理により15%減少したが、両技術を組み合わせることにより38%まで減少した。剪根ブドウ樹の開花時の葉柄における窒素含量は評価を行った3年間のうち2年間で11%ほど低かったが、被覆処理したブドウ樹とは差が認められなかった。梗における水ポテンシャル(Ψstem)は処理により影響を受けなかった。被覆処理は、2006年においてKY-31フェスキュにより収量が減少した時を除き、収量には影響を及ぼさなかった。2007年から2009年までの剪根×年次交互作用および2010年に比べ2011年の年次効果によって果粒重はわずかに減少した。完全被覆処理と剪根はブドウ樹のサイズおよび樹勢を抑制する効果的な技術である一方、樹冠構造および果実成分への影響は最小限であり、これらは季節変動によってより影響を受ける。

D. Gazzola, S. Vincenzi, G. Pasini, G. Lomolino, and A. Curioni
Advantages of the KDS/BCA Assay over the Bradford Assay for Protein Quantification in White Wine and Grape Juice
pp. 227-233 [
英文要旨原文]
[白ワインとブドウ果汁のタンパク定量ブラッドフォード分析に対するKDS/BCA分析の有用性]
ワインとブドウ果汁に使用する比色定量法であるブラッドフォードおよびドデシル硫酸カリウム/bicinchoninic acid (KDS/BCA)分析の性能を比較した。ブラッドフォード分析はタンパク・タイプにより影響されるが、KDS/BCA分析はタンパクの種類とタンパクの変化により影響が少ない。仔牛血清アルブミンとライソザイムは、562 nmの吸収とタンパクの濃度スロープ(用量反応性カーブ)が、ワイン・タンパクと同様であった。ブラッドフォード分析では12%のエタノールおよび200 mg/Lのワイン・ポリフェノールは、タンパク吸収を各々、28%および16%減少した。一方、KDS/BCA分析は、そのような干渉を認めなかった。64の白ワインの間で、熱処理によるタンパク濁りの潜在性と、タンパクの含有量の関係は、KDS/BCA分析の方が良かった。この研究は、白ブドウ果汁とワインのタンパク定量法に関し、KDS/BCA分析はブラッドフォード分析より優れていることを確認でき、白ワイン・タンパクの上安定性リスクに関し、より良い予想値を得られた。

B. Basile, G. Caccavello, M. Giaccone, and M. Forlani
Effects of Early Shading and Defoliation on Bunch Compactness, Yield Components, and Berry Composition of Aglianico Grapevines under Warm Climate Conditionsル
pp. 234-243 [
英文要旨原文]
[早期遮光と摘葉が温暖な気候条件下のAglianicoブドウ樹の房の緊度、収量構成そして果粒組成に及ぼす影響]
開花前の、摘葉は、収穫時の房の緊度を減少させるために、ブドウ栽培において使用される1つのキャノピーマネジメント実施である。しかし、この実施は乾燥した温暖な地域に適していない可能性がある。なぜなら、房が過剰な直射日光にさらされ、果汁の好ましくない滴定酸度の減少とpHの増加が起こるからである。この研究は、開花前と結実の間の遮光が、房周辺の摘葉をしないで房の緊度を減少させるための一つの代替戦略として、Aglianicoブドウ樹に使用され得るという仮説を調べるために計画された。この処理は、収穫期の果汁酸度も維持すると考えられる。次の9つの処理が比較された。すなわち、2つの摘葉(50%そして90%の葉の除去)、5つのキャノピー全体の遮光(環境光の10、30、50、75そして90%削減)、1つのキャノピー部分遮光(30%遮光ネットを使用)、そして非遮光と非摘葉のコントロール処理である。結実、房あたりの果粒数、房重量そしてブドウ樹あたりの収量は、これら処理のいくつかによって有意に影響された。房の緊度は50から90%の範囲の遮光によってのみ減少した。驚いたことに、摘葉は、結実を減少させたが、房の緊度は減少させなかった。なぜなら、摘葉が房の軸の全長の縮小を引き起こしたからである。果粒組成は、50から90%の遮光によって負の影響を受けなかった。一方、摘葉と10から30%遮光は、収穫期の果汁の滴定酸度を減少させ、pHを増加させた。2010年の房あたりの花の数は、2009年の開花前と結実の間に測定された新梢あたりの正味の光合成の減少にともなって、直線的に減少した。この研究の結果は、早期の遮光が、収穫期の果汁組成に何らかの負の影響を与えること無く、房の緊度を減少させる効率の良い代替実施であり得ることを示唆している。

V. Alessandria, F. Marengo, V. Englezos, V. Gerbi, K. Rantsiou, and L. Cocolin
Mycobiota of Barbera Grapes from the Piedmont Region from a Single Vintage Year
pp. 244-250 (Research Note) [
英文要旨原文]
[単一ビンテージ年のピエモンテ地方のバルベラブドウのMycobiota]
この研究において、バルベラ栽培種(Vitis vinifera L.)のブドウの真菌個体群の種類を報告する。北西イタリアのピエモンテ地方に位置する地域であるモンフェラーの15のブドウ園から、2012年のビンテージの間の成熟期にブドウをサンプリングした。ブドウは、培養依存的そして非依存的方法により分析された。Wallerstein Laboratory栄養寒天上のプレートカウントを用いて、ブドウに付着した約100コロニー形成単位 (cfu)/mLの酵母を決定した。全体で、206の真菌単離株が、2つの異なった分子アプローチにより同定された。高度に再現性を有し、比較できる結果が、2つの同定技術、すなわち、5.8S internal transcribed spacer(ITS)rRNA領域のPCRをもとにしたRLFP分析と26S rRNA遺伝子のシーケンスと連結したPCR-DGGEにより得られた。両方の技術は、主にAureobasidium pullulans(分離株の73%)、次いでRhodotorula glutinis (12%)、 Hanseniaspora spp.(8%)、 Issatchenkia terricola(5%)、 Torulaspora delbrueckii(1%)、そしてCryptococcus carnescens(1%)からなるMycobiotaを同定した。さらに、ブドウから直接抽出したDNAとRNAをもとにしたPCR-DGGEは、A. pullulans、H. uvarum、そしてStarmerella bacillaris(異吊Candida zemplinina)の存在を確認した。
S. Poni, M. Galbignani, F. Bernizzoni, M.I. Talaverano, and E. Magnanini
A Device Enabling Fully Automated Water-Deficit Experiments with Potted Grapevines
pp. 251-255 (Technical Brief) [
英文要旨原文]
[鉢椊えブドウ樹を用いた完全自動化された水分欠乏試験を可能にする装置]
 ここで、鉢椊え椊物により蒸散される水を補充し、プログラムするための新しい装置を述べる。システムの確実性を試験するために、ブドウ樹は進行形の水ストレス(WS)にさらされ、その厳しさは、よく灌水された(WW)椊物の蒸散(Tc)との関連により維持された。40日試験を通して、WS処理における水供給は、再灌水に先立って、進行的にWW Tcの70、50、30%に下げられた。同一のステージの間、WS椊物の平均TcはWW椊物のそれの74、48、28そして93%であった。40日の実験の間のブドウ樹の蒸散量と水供給の間の直線的な関係(WWに対してR2 = 0.95 そして WSに対して0.94)は、測定された蒸散量を厳密に追跡した水供給を提供するシステムの信頼性を確認した。シリンダータンクの容量は265 mLにセットされ、そして、それが日々の水減搊(~300から2300 mLの範囲)に対して適切であることが証明された。このシステムは、面倒で時間を要する手動灌水のオペレーターを助けるのに加えて、ブドウ樹が囲い込まれたシステムにおいて、同時に測定された実際の水使用量に水供給を調整する能力を提供し、各ブドウ樹のサイズと蒸散ポテンシャルに応じた水供給のカスタマイズを可能にする。



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